中小企業の経営者だった父親が自殺したのは、半沢が働いている大手銀行が融資を断ったからである。
半沢は、大阪の旗艦店の花形ポストである融資課長である。同期の出世街道の先頭を行く。
支店長が、社内の優良店の表彰を受ける競争のために、中堅の鉄工メーカーに5億円の融資話をトップダウンで半沢に命じる。
融資先が倒産して、半沢は窮地に立つ。回収不能になった5億円の責任をすべて押しつけられたからだ。
半沢はその債権の回収に乗り出す。連鎖倒産をした零細企業の経営者である竹下清彦(赤井英和)らの協力を得て、計画倒産であることを突き止める。
融資先の企業に対して、国税局も脱税を発見して、その債権の確保に乗り出す。
バブル世代の運命は……
日本経済がバブル経済の熱狂にかけあがった1980年代、そしてバブルの崩壊、デフレが続き、失われた20年が経過した。バブル入社組も40歳代半ばとなって、組織の中核である課長クラスになっている。
彼らが社会に出たころは、日本企業の特質であった終身雇用も健在だった。年俸制の導入などで雇用の安定性も崩れた。リストラの嵐はいまも止まない。
戦後のサラリーパーソンのなかで、バブル世代が実は、もっとも過酷な人生を歩まされているかもしれない。
「七つの」と「半沢」が描くこの世代の運命とは。ふたつのドラマはどちらも本格派である。 (敬称略)
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