ゼルダは「ブレワイ」の時代から完全なオープンワールドであり、どんな順番でゲームを進めてもよい。戦闘もさまざまな武器や特技、道具などを使い自分流のスタイルを作り出せる。こうした点が子どもから大人まで、幅広い層から人気を集める理由だろう。
世界に再認識された日本ゲームの期待に応えられるか
このところ日本のゲーム文化が再認識されている。「スーパーマリオ」の映画も好調だし、筆者の知り合いはユニバーサルスタジオ・ハリウッドの年パスを購入しており、一番好きなアトラクションは「マリオランド」だという。「ハリウッドのマリオランドがこれだけ楽しいのだから、日本のユニバーサルのものはもっと大掛かりだろう」と日本旅行を計画している。
このところ韓国や中国製のゲームが人気になりつつあり、日本のアニメやゲーム文化は衰退するのでは、という見方もあった。しかし東京五輪の開会式のゲーム音楽があれほど称賛されたことから見ても、まだまだこの業界は日本が強みを発揮している、と言える。
中でも「ブレワイ」と「ティアキン」はゲーム史上に残る名作、との呼び声も高い。2017年に発売された「ブレワイ」も、今でもユーチューブなどにゲーム動画をアップしている人は大勢いる。
筆者自身も3度もクリアするほど、次々に知らない場所、新しい発見が用意されていて飽きることがない。「ティアキン」は難易度が上がり苦戦してはいるが、毎日少しずつ楽しめる内容だと感じている。
問題は今後で、これ以上完成度の高いゲームが提供できるのか。ゲーマーたちの期待度も上がってしまい、次回作にはより力を入れる必要がある。またプラットホームがスイッチだけに映像のクオリティが低い、という批判もある。
今後はライバル企業もゼルダスタイルのゲーム提供に注力することが見込まれ(実際に真似に近いものも出ている)、ハードルは高くなるだろう。しかしこれだけのものを作り出せるクリエイティビティが健在だ、ということを世界に知らしめたゲーム業界の金字塔であることは間違いない。