2024年6月17日(月)

デジタル時代の経営・安全保障学

2023年5月23日

 5月上旬、カエルをモチーフにした暗号資産「ペペコイン(PEPE)」が急騰した。わずか数週間で400万ドル以上の利益を得た取引もあったようだ。同様に過去1年で、柴犬をモチーフにした「ドージコイン(DOGE)」や「柴犬コイン(SHIB)」も高騰した。こうしたカエルや柴犬はインターネット上で模倣される人気のコンテンツ、いわゆる「インターネット・ミーム」と呼ばれる。

 インターネット・ミームは仮想通貨のみならず、ウクライナでの戦争、イスラム過激派、選挙、感染症等、幅広い分野でシンボルとして出現している。そしてネット・ミームは有害情報の拡散を扇動することもあれば、ユーモアによる有害情報への対抗手段にもなる。

差別主義者のシンボルと化した「カエルのペペ」

 2016年米国大統領選挙の共和党予備選挙が始まる前、ドナルド・トランプ候補(当時)がTwitterに「トランプを切り捨てることはできない」というキャプションとともに、気味の悪い画像、カエル人間となったトランプ自身を投稿した。

(出所)(左)トランプ氏のTwitter投稿(現在、リンク先の写真は削除されている)。 (右) KnowYourMemeより。

 モチーフとなったカエルは、マット・フューリー(Matt Furie)が05年に開始したオンライン漫画『ボーイズクラブ』に登場する「カエルのペペ(Pepe the Frog)」である。前述のペペコインの「ペペ」だ。

 16年当時、ペペは既にインターネット上の人気のコンテンツとなっていた。きっかけは作中で、ペペがトイレで用を済ませる際、ズボンと下着を床まで下ろして、「気持ち良いぜ(feels good man)」と言い放ったことが匿名掲示板の4chanなどで非常に〝ウケた〟からだ。この台詞はペペに関するドキュメンタリー映画『フィールズ・グッド・マン』(2020年)のタイトルにもなった。


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