2024年6月17日(月)

新しい〝付加価値〟最前線

2023年8月16日

売りに影響するカラーをテスト

 アクアは、新型の16キロの洗濯機に「プレッテ」の名前を冠していない。一番の大きな理由は、自社で全部作ったのではないからだろう。その分、ちょっとしたトライをしている。カラーがタテ型では初めての「シルバー」を採用している。洗濯機で、今まで出ている色は、白と黒。洗濯機はボディが大きな分だけ、在庫は少ない方がいい。倉庫代は結構経費がかかるだからだ。そんな時、色数を絞るのは一つの手段だ。

 洗濯機は、人目に付かない場所に置くことが多いので、色は余り関係ないと思われる人もおられるかもしれないが、それは違う。アクアによると、自分一人で行う家事をこなすときは、好きな色に囲まれたいそうだ。特に洗濯機はサイズがサイズなので目立つ。自分が馴染み、家事をする気になる色を見つけるのは売りに大きな影響を及ぼす。

 このため、メーカーはユーザー調査をするのだが、色調査は、言葉、カラーチップで調査して外れることが多い。サイズが大きいので、イメージと実感がずれやすいのだ。カラーテストを折り込みたい気持ちはよくわかる。「プレッテ」に16キロモデルを投入する前のテストマーケティングといったところか。

16キロ洗濯機は売れるのか?

 16キロモデルのマーケット予想をしてみたい。

 2020年の国勢調査によると、一般世帯数は5570万5000世帯。世帯人数は、2・21人だ。週一で洗濯すると、2・21人×1・5キロ×7日で、23・2キロ。要するに冒頭の前提で計算すると、23キロまでは売れる可能性がある。週2で回すとすると、12キロ。確かに12キロという容量は、しっくり来る。それを週一にしたい人に、16キロは魅力的だと言える。

 だが、これはあくまでも計算。ひどい汚れは、1週間も放置すると落ちなくなるし、普通の汚れも落ちにくい。洗濯の際大命題、衣類ケアが困難になる。これは洗濯機の能力ではなく、あくまでも使い方の問題だ。加えて、16キロもの洗濯物を干すとなるとかなりのスペースが必要。洗濯は洗濯だけで終わらないことも考慮に入れる必要がある。

まとめ洗うことにすると、洗濯物は多量に

 しかし、大きくても8キロだった昭和世代から見ると驚く。40年で容量が倍だ。人間、着る服の数は変わらないだろうから、洗濯時間を短縮できた分、時間を買ったと言ってもいい。洗濯から畳むまで1回2時間。毎日を週1にしたとすると、12時間。1週間で半日がフリーとなる。1カ月だと2日。1年で24日。当モデルの市場価格は「価格.com」の情報によると、8月6日現在で、約17万5000円。1日が1万円以下で買える計算になる。

 技術の進化、家電の進化と捉えることもできるが、一番大きいのはライフスタイルの変化。今の日本、まとめ洗いしか許されない生活になったことが大きい。ただし、洗濯で汚れを確実に落とすなら1日以内といわれている。まとめ洗いは、衣類ケアとしては不利な方向だ。

 洗濯は、汚れを落とすことを重視するのか、時間を重視するのかで、全く答えが異なる。しかし、今の日本、16キロが当たり前になる日が来るかもしれない。

   
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