8月24日付の米ワシントン・ポスト紙社説‘On the debate stage, a fight to save Ukraine — and the GOP’が、8月23日に行われた共和党の第1回討論会でウクライナへの支援の継続を支持したヘイリー候補らを評価している。要旨は次の通り。
第1回共和党大統領候補討論会において、ウクライナへの支援を続けるべきか否かが最も重要な論点となり、共和党の有権者の間にある大きな分裂を反映した。
フロリダ州知事のロン・デサンティスは、外国の民主主義を守るか、南部の国境を守るかという誤った選択を提示し、ウクライナを助けるためにヨーロッパに資金を出させると主張した。
外交政策の経験がない新顔のヴィヴェク・ラマスワミ候補は、ウクライナ支援は、「ロシアを更に中国の手中に追いやることになる」と主張した。トランプは、討論会中にSNSでインタビューを発信し、戦争の即時終結を訴えた。
他の登壇者たちは、こうした立場が危険なほどナイーブであることを明らかにした。元国連大使のニッキー・ヘイリーは、米国がウクライナ支援に費やした額は国防予算の3.5%にも満たず、他方、欧州11カ国は国内総生産(GDP)シェアではより大きな貢献を行っており、米国のコミットメントは不当に大きいものではないと説明した。更に彼女は、米国がウクライナに背を向ければ、中国は台湾への侵攻に更に傾くだろうと述べた。
ペンス前副大統領は、ロシアが増長して北大西洋条約機構(NATO)加盟国に侵攻し米軍が参戦せざるを得なくなるのを待つよりも、ウクライナが米国の資金と物資で戦闘を行う方が良いと述べた。
クリスティ前ニュージャージー州知事は、ロシア軍による女性や女児に対する非人道的な行為を列挙し、米国が行動することは道徳的に不可欠であると強調した。
ヘイリー、ペンスおよびクリスティが孤立主義を廃してプーチンに対抗することが米国の国益にかなう理由を倫理的な明確さをもって説明したことは、評価に値する。こうした理性的な声が共和党の予備選で優勢になるかどうかで、同党が米国の何十年にわたる国際的関与に背を向けることになるのかが決まる。
何世代にもわたって米国人は、自由を守ってきた。現代では、ウクライナが最前線である。米国の2024年の選挙は、ウクライナの国家存続戦争における最も重要な戦いの1つとなりそうだ。選挙戦が進むにつれて、この問題の正しい側にいる人々が力強く語り続けること、そして共和党の有権者が耳を傾けることが極めて重要である。
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共和党の大統領候補を決めるための第1回目の討論会が8月23日に開催され、ウクライナ支援を継続するべきか否かが重要な争点となった。