2024年5月2日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年9月20日

 今後、ロウハニは真剣に取引する用意があることを明らかにするであろう。イランの核計画の急を要する側面のいくつかに対処する限定的取引が行われる可能性は排除できない。

 しかし、その背後には、不信感を持ったハメネイとその一派がいる。彼らはイデオロギーの自己正当化のために、常に米国という敵を必要とするのである、と論じています

* * *

 タキーの分析は正鵠を射ていると思います。ロウハニ自身も、いわゆる穏健派ではなく、ホメイニ革命の中心にいた僧侶です。しかし、イラン経済が破綻に直面し、国民の不満とロウハニへの期待が高まっているなかで、ロウハニは繰り返し、核問題では柔軟に対処する、と言っています。問題は、ハメネイなどがイデオロギーの観点から、何処までの柔軟性を認めるかです。イランにとって、ウラン濃縮の権利は譲れないところで、米国などがそれを条件付ながら認めればハメネイの面子が立ち、ハメネイはロウハニに対して柔軟に対処する裁量をより広く認める可能性があるように思われます。

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