高速道路のコストは建設費や維持費、人件費など、そのほとんどすべてが固定費的な性格を持っているものばかりだ。変動費の存在しない固定費的なコスト体質。車1台の通行に比例して掛かるコストなど無いに等しい。ということは「商品1個当たりの変動費が少ないこと」という成功条件1にズバリ該当するではないか!ハンバーガーと同様、高速道路も「変動費が少ない固定費体質」という点で共通しているわけだ。
値下げ戦略、成功条件その2とは?
さあ、いよいよ値下げ戦略の成功条件その2の登場だ。それは・・・
「値下げによって販売数量(Q)が大幅に増加すること」
この第2条件のハードルをクリアするのは本当に難しい。単価(P)の値下げによって、多くの場合、販売数量(Q)は増加する。しかし生半可な増加ではダメなのだ。大幅な増加が必要。そうでないと、販売数量を増やしても減益という恐ろしい結果が待ち構えている。値下げによって販売数量が増え、忙しく働いても減益になるという値下げ地獄。1994年、マクドナルドは定価210円だったハンバーガーを100円という値段まで下げたことによって大幅な数量増加を達成した。20倍近い増加だったという。
・・・・読者の皆さん、ここは重要なポイントです。
大幅増加も大幅増加、20倍近い増加。これでマクドナルドは大幅増益を達成したというワケ。ここで値下げ前の210円バーガーと100円バーガーの「売価・コスト・利益」グラフを見てもらうことにしよう。
まず210円バーガーの円グラフを見ると、57.5円の原材料費のほか、社員人件費40.7円、店舗賃借料21.0円、広告宣伝費11.3円、販売管理費66.6円というコストが掛かっており、利益は12.9円しかない。しかしこれらのコストを管理会計的に見直してみると、原材料費が変動費である以外はほとんどのコストが固定費であると考えられる。