2022年12月8日(木)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2013年9月25日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

 そこでは、合計1000万人が観られる12000件もの有料無料のイベントがロンドンばかりかイギリス全土で繰り広げられ、スポーツだけではなく文化芸術面でも内外からさらに多くの人々を集め、イギリスの経済活性化とその世界への発信に貢献している。

 来る東京オリンピックに合わせても、ぜひ多様なイベントが同時に行われることが望ましい。オリンピックに多様な催しがセットとなれば、内外から東京や日本に来る人々もさらに増加する。

 特に重要なのは、このようにして遠距離から多くの人々に来てもらうことだ。それは、イベントの経済効果が、交通費や宿泊費がかかる遠距離から観光客を呼び込むことで飛躍的に大きくなるからだ。

国民マインドを変える好機

 2020年の東京オリンピックでは、国民のマインドを変化させる大きな契機にすることも重要だ。

 オリンピック開催への期待とそれに向けての準備を通じて、後ろ向きとなってきた国民と企業のマインドが前向きに転じれば、その意義は大きい。

 いまでも、日本経済活性化、少子高齢化への対応、財政健全化など、日本としてしなくてはならないことは多々ある。しかし、期限が定まった形で必達以外ありえないオリンピックほどの巨大イベントは久しくなかったと言える。このようなオリンピックを前にしては、国民は前向きになるしかない。

 オリンピックを契機に国民・企業が世界への関心を高めることになれば、これも大きな意義となる。とりわけ、世界への関心の高まりが日本企業の海外展開の拡大に留まらず、世界経済の動きに乗り遅れない国民・企業の行動や意識にもつながれば申し分ない。

 64年オリンピックが日本の経済成長と先進国入りを強く印象付けたとすれば、2020年オリンピックは日本経済復活と世界を見る前向きな国民マインドを示す好機だ。あらゆる面で立派なオリンピックが開催されることを期待したい。

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