2022年9月28日(水)

ルポ・少年院の子どもたち

2013年10月24日

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 現在全国に児童自立支援施設は58施設あり、その内訳は国立2施設、私立2施設、都道府県立および市立54施設となっている。

茨城学園の敷地も、豊かな自然に溢れている

 これらの施設はほとんどが自然の中に位置し、広い施設内に校舎と寮舎、厨房、食堂、運動場、体育館、農場があり植木や草花で溢れている。

 入所対象は窃盗を行った児童、浮浪・家出の児童、性非行や暴力行為を行った児童、などだが、前述のとおり児童自立支援施設には少年院のように「囲い」はない。子供たちと職員を繋ぐものは信頼関係だけだ。

 その歴史的は深く、1900年感化法により制度化された。以来約1世紀、施設の根幹を成しているところは大きく変わっていない。その特徴は、職員である実夫婦とその家族が小舎に住み込み、家庭的な生活の中で入所児童に一貫性・継続性のある支援や指導を行うという伝統的な小舎夫婦制が挙げられる。

 機能不全の家庭に育った子供たちの精神面の発達や成長を促すには、小規模で家庭的な環境の中で職員夫婦が深く関わり安定感を与えるのが最適であるとされてきた。明治から大正、昭和、平成へと時代が変わり、名称が変わっても施設と子供たちを支えてきたのは職員とその家族の献身だ。

 「子供たちと一緒に住んで、食事も一緒、お風呂も一緒、生活を共にし、学校での授業も受け持ちながら女房と二人でやってきました。恵まれない環境で育った子供たちにとっては、我々が父となり母となって家庭のやり直し、育て直しでした」

 取材に応じていただいた茨城学園の茂木課長も、長年小舎夫婦制により茨城学園で子供たちと寝食を共にしてきた。

職員の足並みがバラバラに

 平成15年を境に茨城学園は小舎夫婦制から、1カ寮を数名の職員がローテーション勤務を組んで指導にあたる交代制に移行した。だが、その影響は大きく平成19年頃まではかなり混乱したようだ。

 その原因を茂木はこう振り返る。

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