2024年7月29日(月)

BBC News

2024年7月29日

パリ・オリンピック(五輪)は競技2日目の28日、柔道の男子66キロ級で阿部一二三が五輪連覇を達成した。妹の阿部詩も女子52キロ級で連覇を狙ったが、2回戦で敗れ、メダルなしに終わった。

阿部一二三は、初戦の2回戦と準々決勝を共に、合わせ技一本で勝利。準決勝は延長戦までもつれ込んだが、技ありを奪って勝ち、ブラジルのウィリアン・リマとの決勝に進んだ。

決勝では、残り2分15秒、隅落とし技ありを取る。残り1分24秒にも、袖釣り込み腰で再び技ありを奪い、合わせ技で一本とし勝利。東京五輪に続く二つ目の金メダルを獲得した

連覇の偉業に会場は大きく沸いた。イギリスの元柔道選手で、2度五輪銀メダリストになっているニール・アダムスさんは、「観客はそのパフォーマンスに大喜びした。皆が絶対的な素晴らしさをたたえている」と、会場の様子をBBCスポーツで伝えた。

阿部は試合後のインタビューで、五輪連覇を「最高の想い」と表現。東京大会からの3年間を「苦しい思い、しんどい思いばかりで、楽な道ではなかった」と振り返った。

表彰式後のインタビューでは、「東京の時よりもたくさんの思いが詰まっているメダルだと思います」、「この大歓声の中で金メダルを取ることができて、本当によかったと思います」と心境を述べた。

そして、「オリンピックという舞台で自分がやってきたことを出せた。多分これからの柔道人生の強みになってくると思うし、もっと自信になったので、もっともっと柔道が強くなれるようにがんばりたいと思います」と決意を表明した。

阿部詩は連覇ならず

阿部一二三の妹の阿部詩もこの日、兄妹での五輪2連覇を目指したが、2回戦で敗れた。

阿部は1回戦は大外刈りで一本勝ち。2回戦も、世界ランキング1位のウズベキスタンのディヨラ・ケルディヨロワを相手に、開始2分すぎに内股で技ありを取るなど、優勢に試合を進めた。

しかし、残り1分を切ったところでケルディヨロワに谷落としを決められ、一本負けした。

阿部はしばしぼうぜんとし、畳を下りるとコーチに抱き着いて号泣。しばらく立ち上がることができなかった。観客からは「詩、詩」と阿部に向けたコールと拍手が沸き上がった。

2回戦敗退のため、阿部は敗者復活戦に回ることもできず、メダルなしに終わった。

NHKなど日本メディアは、阿部が試合の数時間後にインタビューに応じ、「負けた瞬間は状況が理解できなかったが、一瞬で勝負が決まるのはこういうことかなと思い知った」、「きょうの負けを忘れずに、いつか自分自身や皆さんが笑えるような日にできればいいかなと思う」と話したと伝えた。

(英語関連記事 Paris 2024 Olympics medal resultsLive Reporting

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cxx253y5je8o


新着記事

»もっと見る