2024年11月25日(月)

JAPANESE, BE AMBITIOUS!米国から親愛なる日本へ

2024年8月4日

ハイテク産業も誘致へ

 また、自動車などに限らず、ハイテク産業誘致にも意欲を示す。

 「アメリカのイノベーションといえば、西海岸のシリコンバレーと東海岸のボストンを思い浮かべる人が多いのですが、これらの地域に対抗するため、中西部に卓越性をもたらす戦略を採用したいと考えています。特筆すべきは、半導体大手のインテルが進出先として40もの選択肢がある中で、オハイオ州に工場を建設することを決めたことです。つまり、ここには、必要なスキルを持った大学卒業生が数多くいるからです」と述べ、ハイテク関連の人材が豊富にいる点を挙げた。

 隔年ごとに日米持ち回りで開催している日本・米国中西部会・日米合同会議については「今年はオハイオ州知事主催で9月に開催します。日本からは主要大学の学長も参加して、オハイオ州と日本との間で、どのようなイノベーションやパートナーシップを築くことができるか話し合う予定です。非常に戦略的な会議になる」と期待感を示した。

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Wedge 2024年8月号より
JAPANESE, BE AMBITIOUS! 米国から親愛なる日本へ
JAPANESE, BE AMBITIOUS! 米国から親愛なる日本へ

コロナ禍が明けて以降、米国社会で活躍し、一時帰国した日本人にお会いする機会が増える中、決まって言われることがあった。 それは「アメリカのことは日本の報道だけでは分かりません」、「アメリカで起こっていることを皆さんの目で直接見てください」ということだ。 小誌取材班は今回、5年ぶりに米国横断取材を行い、20人以上の日本人、米国の大学で教鞭を執る研究者らに取材する機会を得た。 大学の研究者の見解に共通していたのは「日本社会、企業、日本人にはそれぞれ強みがあり、それを簡単に捨て去るべきではない」、「米国流がすべてではない」ということであった。 確かに、米国は魅力的な国であり、世界の人々を引き付ける力がある。かつて司馬遼太郎は『アメリカ素描』(新潮文庫)の中で、「諸民族の多様な感覚群がアメリカ国内において幾層もの濾過装置を経て(中略)そこで認められた価値が、そのまま多民族の地球上に普及する」と述べた。多民族国家の中で磨かれたものは、多くの市民権を得て、世界中に広まるということだ――


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