2024年8月14日(水)

BBC News

2024年8月14日

英ロンドン動物園のシャッターに13日、世界的な覆面芸術家バンクシーの新作が出現した。ロンドンでは先週から連日、バンクシーの作品が出現しており、これが連作の最後の作品とされる。

連作の9作目となるこの作品では、ゴリラがシャッターの一部を持ち上げ、アシカや鳥を外に出している。また、シャッターの向こうに他の動物たちがいる様子も描かれている。

ロンドン動物園の広報担当者は、「本当に素晴らしい」作品だと述べ、保存する意向を示した。

バンクシーは8月5日以来、ヤギ、ゾウ、サル、オオカミ、ペリカン、ネコ、ピラニア、サイの絵を、ロンドンの街中で発表してきた。

ロンドン動物園の動物運営マネージャー、ダニエル・シモンズ氏は、 「バンクシーはロンドンのシーンの一部となっている。その象徴的なステータスを、世界で最も象徴的な動物園の一つで共有できることは、本当に素晴らしい」と述べた。

「バンクシーが今朝、この動物園の正面シャッターを使って、素晴らしい作品を飾ってくれたことをとても光栄に思っている」

シモンズ氏はまた、バンクシーがこの場所で作品を計画してたことを、職員らは全く知らなかったとした。

「それがバンクシーの素晴らしい謎の一部だし、今朝、出勤して、とてもワクワクした理由だ」

作品の出現に伴い、動物園の警備員はシャッターの周りに柵を設置した。

シモンズ氏によると、このシャッターは13日中は閉めたままにすることで、訪問者が作品を見られるようにするという。

また、すでに予約していた数千人に加え、13日にはさらに多くの人々が訪れるだろうと付け加えた。

そのうえで、この作品を保護すると言明した。

「間違いなく保護する。作品の周囲にガラスを貼ることも考えている」

「典型的なロンドンの気候で、過去最悪の冬を経験したばかりの私たちが一番避けたいのは、これが天候によって傷んでしまうことだ」

作品は当面この場所に残るものの、将来的には動物園の別の場所に移動される可能性もあるという。

連作の中には、すでに撤去されたり、部分的に破損されたりしたものもある。

ロンドン南東部チャールトンでは12日、路上に廃棄されている車に乗りあがっているサイのステンシル画が出現した。車のボンネットには、サイの角になぞらえた三角コーンも置かれていた。

しかしすぐに、黒い目出し帽をかぶった人物が、サイの上にスプレーで白いドルマークと「V」を落書きした。

チャールトンのあるグリニッジ王立区は、「心ない破壊者が、すでに訪問者を魅了し、多くの人々に喜びをもたらしている壁画を汚してしまったことは、本当に残念だ」と述べた。

また、「区議会は現在、この作品の将来について何が合理的に可能かを検討中であり、注意深く監視していく予定だ」としている。

その後、この壁画に保護カバーを取り付ける作業員が目撃されている。

一方で、車と三角コーンは撤去された。しかし、その理由や責任者はわかっていない。

このほか、8日には店舗の屋根に設置されている衛星放送の受信アンテナに、月に向かって遠ぼえするオオカミのシルエットの絵が登場したが、数時間後に覆面姿の人物らによって盗まれた

10日には、クリックルウッドの空き看板に猫がストレッチをしているステンシルが描かれたが、安全上の理由から撤去されている。

BBCはバンクシーのチームから、ロンドン動物園の最新作がこのシリーズの最終作だと聞いている。

バンクシーは毎回、一晩かけて作品を残しているようだ。

毎朝、通行人が作品を見つけると人だかりができ、多くの人がソーシャルメディアに写真を投稿している。

バンクシーはこれまで、現地時間午後1時に、インスタグラムに作品の写真を投稿することで、自作であることを表明してきた。しかし13日は朝に、最新作の写真を投稿していた。

(英語記事 Banksy's latest work appears on London Zoo gates

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c89wy7vyqz9o


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