2024年12月26日(木)

田部康喜のTV読本

2024年8月12日

 「海のはじまり」(フジテレビ系・毎週月曜よる9時)は、中途難聴者役に目黒蓮を配した大ヒットドラマ「silent」と、都会の孤独な若者が偶然触れあうようになる傑作「いちばんすきな花」をてがけた脚本家の生方美久の3部作目ともいえる作品である。青春ドラマの新しい領域を切り開いた最高傑作である。

新たな青春ドラマと言える「海のはじまり」(フジテレビHPより、以下同)

 大学生時代に恋人同士だった、月岡夏(目黒蓮)と南雲水季(古川琴音)。水季は夏の子どもを妊娠して、中絶することを決め夏に承諾書にサインを求める。手術の日、産婦人科の前の道に夏は心配げにたたずんでいる。産科を出てきた水季は「なにか食べに行こう。なにを食べてもいいっていわれたから」と。

 水季は夏に知らせることもなく、大学を中途退学する。夏のスマホに水季から電話がかかってくる。

水季 「別れよ。別れてください。夏君よりすきになっちゃた、ずーっと一緒にいたい人ができたんだよね」

夏  「誰?」

水季 「内緒、秘密……」「その人になにか伝えたいことある?」

夏  「あるわけないだろう……お幸せに。(水季は)マイペース、わがまま、薄情、その人に捨てられる」「ごめん、体本当に大丈夫?」

水季 「うん、元気でね、バイバイ」

 それから、7年。水季が亡くなったことを友人からの連絡で知る。夏は水季の葬儀に参列するために水季の地元に向かう。


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