2024年7月18日(木)

田部康喜のTV読本

2024年7月7日

 NHK BSプレミアムドラマ「エンジェルフライト」(日曜よる10時)は、海外で亡くなった邦人を故国に、日本で亡くなった外国人を祖国に送還する「国際霊柩送還士」という仕事を通じて浮かび上がる「死」と「生」が交錯するドラマの傑作である。

NHK BSプレミアムドラマ「エンジェルフライト」(NHKホームページより、以下同)

 送還士役の米倉涼子や松本穂香、城田優らの抑制したなかにも感情を噴出させる演技の数々は、彼らの俳優人生にとって画期となる作品となるだろう。

映像で描かれる国際霊柩送還士の仕事

 原作は佐々涼子によるノンフィクション「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(集英社文庫)。ノンフィクション作家の新人賞としては最高峰ともいえる「開高健ノンフィクション賞」を2012年に受賞している。BSプレミアムで放送中の作品は実は、昨年春にAmazon Prime Video で配信されたものを一部編集したものである。

 Amazon Prime Videoの作品がNHKで放送される。Netflixなども含めてネットの映像配信の時代を迎えて、ひとつの作品が地上波と共有される新たな歴史を感じさえする。

 映像の配信先は「Window」と呼ばれる。映画時代は、航空機のファーストクラスが封切前のWindowであり、全世界あるいは日本全体の映画館で上映される前に先行上映の「ロードショー」があった。NetflixやAmazon Prime Videoは新しい時代のWindowである。


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