イギリスのチャールズ国王は20日、7月末に殺傷事件があったサウスポートを訪問し、住民への思いやりと共感を示した。
被害者のための花やぬいぐるみなどが今も供えられている広場に国王が到着すると、集まった人々は歓声を上げて出迎えた。
国王はその後、被害に遭った一部の子供たちと非公開の場で面会したほか、弔問者の芳名録に記帳した。
また、サウスポートの地区消防署で地域の指導者たちに会い、非常事態に対応した警察や消防、救急隊の代表から話を聞いた。
サウスポートでは7月29日、子供向けのダンス教室が刃物を持った当時17歳の少年に襲われ、ビービー・キングさん(6)、エルシー・ドット・スタンコムさん(7)、アリス・ダシルヴァ・アギアールさん(9)の3人が殺された。
また、10人が重傷を負った。そのうちの1人、ヨガ講師のリアン・ルーカスさん(35)は最近、再入院したという。
サウスポートを含むセフトン選挙区代表のパトリック・ハーリー下院議員は、消防署で国王と会談した後、「この町の人たちの気持ち激しく揺さぶられたし、今もなお生々しい思いが続く。それに国王はとても共感してくれた」と語った。
「国王はとても熱心に、思いやりと共感を表してくれた。サウスポートの人々に、象徴的な観点から、イギリスの人々の心がここの人々に注がれていることをしっかり伝えたいと、強く望んでいた」
刺殺事件の現場に最初に駆けつけたという実業家のジョン・ヘイズ氏も、国王に面会した。
松葉杖をついて会場を後にしたヘイズ氏は「国王に会えてよかった。とても気さくで話しやすかった」と話した。
「昨日(スコットランドの)バルモラル城に着いたばかりだと思うので、今日わざわざサウスポートまで来てみんなに会うなんて、とても親切だと思った」
「国王に会った人はみんな、元気をもらったと思う」
チャールズ国王は事件発生から間もなく声明を発表し、「まったく恐ろしい事件を聞いて深くショックを受けている」と述べていた。
また、この事件に関する誤情報からイングランド各地で暴動が起きた際には、暴動の「攻撃性と犯罪性」に対抗した「コミュニティー精神」と「思いやり」を称賛した。
国王は21日にロンドンで、殺された女の子3人の遺族と面会する予定。
(英語記事 King expresses 'sympathy and empathy' on Southport visit