2024年8月23日(金)

BBC News

2024年8月23日

アメリカ連邦最高裁は22日、有権者登録にはアメリカ市民権の証明を必要とするというアリゾナ州法の一部復活を認めた。共和党が要求して上告していた。

連邦最高裁は5対4の判決で、アリゾナ住民は市民権の証明を提示しなければ有権者登録を受け付けないという2022年州法の該当箇所を復活させると認めた。

ただし、連邦政府の有権者登録制度で登録した住民にも市民権証明の提示を求める州法の規定については、復活を認めなかった

後者の復活が認められていた場合は、今年11月の大統領選で4万1000人以上が投票できない事態になっていた。

2020年大統領選では、ジョー・バイデン氏は約1万票差でドナルド・トランプ大統領(当時)にアリゾナ州で勝利。今年の選挙戦でも、アリゾナ州は激戦州になる見通しで、同州での投票をめぐる法規制が大きな争点となっていた。

2020年大統領選の結果を共和党が精査した結果、同州でバイデン氏が僅差で勝ったことに、異例の事態は何もなかった。

有権者登録にあたり、出生証明書やパスポートなど、アメリカ市民権を証明する書類の提出を義務付ける州は、アリゾナ州のみ。バイデン政権は、問題の州法の差し止めを求めて提訴していた。

共和党全国委員会のマイク・ウェイトリー委員長は、最高裁判決は「投票の確実な公平性にとって、大きな勝利だ。アメリカの選挙の結果は、アメリカの市民が決めなくてはならない」と歓迎した。

他方、アリゾナ州の地元紙によると、今回の判決は11月の選挙に向けてすでに有権者登録している州民には影響しないという。

争われた州法は2022年3月に、当時のダグ・ドゥーシー州知事(共和党)が成立させた。選挙の安全性と投票しやすさのバランスを確保することが目的だと、知事は説明していた。

バイデン政権は同年7月、1993年制定の連邦法「国民有権者登録法」が上位法として存在すると主張し、州法の無効を訴えて提訴していた。

市民の投票権を守るために活動する団体も、州法に反対していた。

昨年9月にはアリゾナ州フィーニックスの連邦地裁が、州法に反対する訴えの有効性を認め、州選挙と全国選挙の両方について、市民権の証明書提出を必須とする州法の適用を退けた。サンフランシスコの連邦控訴裁も地裁判決を支持したため、共和党は連邦最高裁に緊急上告した。

(英語記事 Supreme Court limits Arizona voting without citizenship proof

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c4geqd6vg7vo


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