2024年8月22日(木)

BBC News

2024年8月22日

同性同士でつがいとなり、有名になったジェンツーペンギンのスフェンが22日、11歳で死んだ。

豪シーライフ・シドニー水族館で飼育されているスフェンとマジックは2018年に恋に落ち、世界的に有名になった。2羽はその後、2羽のひなを養子として育てた。

2羽のロマンスは、マルディグラ(キリスト教の祝祭)のフロートになり、オーストラリアの教育カリキュラムで言及され、ネットフリックスのドラマ・シリーズ「ユニークライフ」でも取り上げられた。

シーライフ・シドニー水族館は、スフェンが平等の象徴として、そして自然保護の橋渡し役として、世界に与えた影響は「計り知れない」と語った。

スフェンの健康状態は、死ぬまでの数日間で悪化していた。水族館の獣医師チームは今月初め、苦痛と不快感を取り除くためにスフェンを安楽死させるという難しい決断を下した。

スフェンの衰弱の原因については、現在調査中だという。

同水族館のリチャード・ディリー館長は声明で、「スフェンを失ったことは、ペンギンのコロニー、同館のチーム、そしてスフェンとマジックの物語に触発され、前向きな影響を受けたすべての人々にとって悲痛なことだ」と述べた。

「私たちはこの機会に、スフェンの人生を振り返り、祝福し、スフェンがいかに象徴的な存在だったかを振り返りたい」

南極周辺に生息するジェンツーペンギンの平均寿命は12~13年。1対1のつがいを維持することで有名だ。

水族館は、現在8歳のマジックにパートナーがもう戻ってこないことを理解してもらうため、死んだスフェンを見せた。

水族館によると、マジックはすぐに歌い始め、コロニーのペンギンたちもそれに呼応したという。

「チームの焦点は今、スフェンがいない状態で初めて繁殖シーズンを迎えるマジックにある」と、ディリー館長は説明した。

マジックとスフェンは6年間、連れ添っていた。スタッフがその関係に気づいたのは、2羽がジェンツーペンギンの求愛行動であるお辞儀を、お互いにしているのを見たときだった。

スフェンとマジックの間には、養子のスフェンジック(通称ララ)とクランシーがいる。

水族館がウェブサイトに設置した掲示板には、一般の人々からスフェンへの追悼の言葉が送られている。

長年のファンだというマークさんは、「スフェンとマジックは、どちらも等しく象徴的な存在だった。飼育員やシーライフ・シドニーのチーム全員のことを思うと胸が張り裂けそうだ」と書いている。

ラッチさんというユーザーは、「あなたは世界に多くのことを教えてくれた。私たちは決してあなたを忘れません」と書いた後、「ハビビ」と、アラビア語の親愛の言葉を付け加えた。

(英語記事 One half of world-famous gay penguin couple dies

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/ckg2jlxnezzo


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