2024年9月10日(火)

BBC News

2024年9月10日

デイヴィッド・シリトー、メディア担当編集委員

イギリスでのニュースの受け取り方について毎年実施されている調査の最新版で、「オンライン」の比率が初めて「テレビ」を上回った。

調査は英通信業界の独立監視機関、放送通信庁(Ofcom、オフコム)が実施。今年はイギリス住民の71%がオンライン・サービスを使ってニュースに触れていると答えた。テレビと回答したのは70%だった。

オンラインの比率は昨年の68%から上昇した。「ソーシャルメディア」も47%から52%に伸びた。16~24歳に限ると、ソーシャルメディアと答えたのは82%に上った。

オンラインのニュースソースとして最も多く挙げられたのは、「フェイスブック」、「ユーチューブ」、「インスタグラム」だった。

フェイスブックとインスタグラムに加え、「ワッツアップ」も所有する米企業メタは、今回の調査で2番目に大きなニュースソースだった。同社のアプリをニュース取得に使っているという人は40%に上った。

BBCは今回も最大の単独のニュースソースとなり、68%の人がニュースを見るためにBBCを利用していると答えた。ただ、この調査はあくまで回答者の回答をまとめたもので、実際の利用状況に基づく分析からは、異なる状況が浮かび上がる。例えば、イギリス国内においてBBCニュースから情報を得ている人は、平均的な週で全住民の75%に達する。

今回、最も比率が下がったのは、伝統的なニュース提供メディアだった。新聞およびそのウェブサイトは39%から34%に低下。テレビも75%から70%に下落した。BBCニュースのオンライン版も22%から18%に下がった。

ただし、この調査は特定サイトの利用率は測っていない。英報道業界誌プレス・ガゼットの最新月例調査によると、世界2大ニュースサイトのBBC(12億アクセス)と米CNN(7億1000万アクセス)は、どちらも過去1年間でアクセスが大幅に増加した。

最も利用率が上がったのはユーチューブで、調査対象者の19%がニュースを得るために利用したと答えた。2023年は7%でしかなかった。この大幅な上昇についてOfcomは、昨年の調査でユーチューブは名前が挙げられず、「その他のオンライン」とされていたことが、おそらく原因だとみている。

英紙ガーディアン(10%)やデイリー・メール(14%)などは、昨年と同じような数値だった。両紙とも、紙の新聞だけでなくオンラインサイトも大きな存在感を示している。

イギリス最大の新聞社ウェブサイトはガーディアンで、今年7月のアクセス数は3億6500万だった。

だが、伝統的な新聞の利用率は大きく下落しており、紙の新聞を読むと答えた人は、55歳以上ですら、この1年で38%から32%に減少した。

今回の調査で、単独のニュースソースとして最も多く名前が挙げられたのは、これまで同様、BBC Oneだった。テレビは全体的には利用が低下しているかもしれないが、ニュースを得るためにBBC Oneを見ると答えたのは調査対象者の43%に上った。2位は英放送局ITVとフェイスブックで、ともに30%だった。

(英語記事 Online overtakes TV in survey of news habits

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cdey816gn3lo


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