2024年9月10日(火)

BBC News

2024年9月10日

映画「スター・ウォーズ」シリーズの敵役ダース・ベイダーの声を担当したことで有名な米俳優ジェイムズ・アール・ジョーンズさんが9日、亡くなった。93歳だった。代理人が発表した。

代理人のバリー・マクファーソンさんによると、ジョーンズさんは9日早朝、家族に囲まれて死去した。

「スター・ウォーズ」シリーズでルーク・スカイウォーカーを演じた米俳優マーク・ハミルさんは、「パパ、安らかに」とソーシャルメディアに投稿した

重厚な低音の声が印象的だったジョーンズさんは、「スター・ウォーズ」シリーズのほか、映画「フィールド・オブ・ドリームズ」や「ライオン・キング」など、数々の作品に出演。ブロードウェイの舞台出演に対してトニー賞を3回、テレビ作品に対してエミー賞を2回、録音作品に対してグラミー賞を1回、それぞれ受賞している。2011年には生涯の功労をたたえるアカデミー賞の名誉賞を受賞した。

舞台では「オセロ」や「リア王」など数々の古典作品でも主演したほか、人気アニメ「シンプソンズ」にも声優として参加した。子供番組「セサミ・ストリート」にも初期に出演していた。

1971年には映画「ボクサー」でアカデミー賞主演男優賞の候補になった。黒人男性が同賞候補になったのは、シドニー・ポワチエさん以来だった。映画のもとになった舞台版では、トニー賞の主演男優賞を得ている。

ジョーンズさんの訃報を受けて、「スター・トレック」シリーズで知られる米俳優レヴァー・バートンさんは、「あの人特有の優美な品格の組み合わせを持つ人は、もう二度と出ない」とたたえた。

米俳優コルマン・ドミンゴさんは、「大切なジェイムズ・アール・ジョーンズ、何もかもありがとう。名優だった。私たちはあなたの肩の上に立っている。今はゆっくり休んで。自分の最良のものをあなたはみんなにくれたので」としのんだ。

映画「フィールド・オブ・ドリームズ」で共演したケヴィン・コスナーさんは、「あの大きい声。あの静かな力強さ。全身から放つ優しさ。彼が残してくれたものについて、いくらでも語れるけれども、自分はひとまず、その中に『フィールド・オブ・ドリームズ』が含まれていて、本当にありがたいとだけ言っておこう」と、インスタグラムに書いた

ジョーンズさんは演技のほか、米CNNが長年使っている「This is CNN(こちらCNNです)」というフレーズの声でもあった。

CNNは米誌ハリウッド・リポーターに対して、「彼は何十年もCNNと私たちのブランドの声だった。その言葉を通じてただちに、権威と優美さと礼節を独特の形で表現した」とコメントし、「あの素晴らしい声だけでなく、ジェイムズがいなくなって私たちはたくさんのものを失い、寂しくなった」としのんだ。

1931年にミシシッピー州で生まれたジョーンズさんは、子供のころは吃音(きつおん)のため話しをするのに苦労したのだと語っていた。吃音を克服しようと工夫しているうちに、のちに世界的に有名になる特徴的な低音の声が出せるようになったのだという。

ジョーンズさんは1977年の最初の「スター・ウォーズ」を皮切りにした3部作をはじめ、数々の関連作品でダース・ベイダーの声を担当。画面上では、別の俳優が衣装やマスクを着けて登場した。

「あの一大神話、あの一大カルトの一部でいられて、すごくうれしい」とかつてジョーンズさんは話し、有名な「I am your father(私がお前の父親だ)」というセリフを言ってくれないかとファンに求められれば、喜んで応じるのだと明かしていた。

最初の「スター・ウォーズ」の出演料は9000ドルで、自分は単に「特殊効果」のひとつを提供したに過ぎないとあまり重視していなかったことをジョーンズさんは認め、出演者クレジットに名前を出さないよう自ら求めたのだと話していた。ただしその後、映画が世界的に大ヒットしたため、ジョーンズさんは考え直したのだという。

(英語記事 James Earl Jones, voice of Darth Vader, dies aged 93

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c5yknn3kgz1o


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