2024年10月11日(金)

BBC News

2024年9月11日

世界的に人気でアメリカで若者に大きい影響力を持つ歌手テイラー・スウィフトさんが10日夜、11月の米大統領選に向けて民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を支持すると、インスタグラムのアカウントで発表した。スウィフトさんのアカウントは2億8300万人がフォローしている。

スウィフトさんは投稿で、「多くの皆さんと同じように、私も今晩の討論会を見ました。もしまだそうしていないなら、何が議論になっているのか自分で調べて、自分にとって一番大事なテーマについて、この候補者たちがどういう立場なのかを調べるのに、今は絶好のタイミングです。有権者として私は、候補たちがこの国にどういう政策や計画を提案しているのか、できる限りあらゆるものを見て読むようにしています」と書いた。

スウィフトさんの投票に先駆けて、ハリス候補と共和党のドナルド・トランプ候補は米ABCニュース主催の大統領候補討論会で90分間にわたり、中絶や経済、不法移民対策、ウクライナでの戦争などについて舌戦を交わしていた。

「混乱ではなく落ち着きを」

スウィフトさんは、「私は最近、AI(人工知能)が『私』のふりをしてドナルド・トランプを大統領に支持する偽の画像を、本人が自分のサイトに投稿したことを知りました。おかげで、AIについて私が心配していることや、偽情報を拡散することの危険について、あらためて思いを強くしました。そのため、今回の選挙で私が有権者としてどうするつもりなのか、非常に透明に示さなくてはならないと結論するに至りました。偽情報と戦うための一番簡単な方法は、真実です」と説明した。

そのうえでスウィフトさんは、「私は2024年の大統領選挙で、カマラ・ハリスとティム・ウォルズに投票します」と言明。「戦士が必要だと私が思う権利やテーマについて、カマラ・ハリスは戦っていると思うので、私は彼女に投票します。彼女は安定した、有能なリーダーだと私は思うし、混乱ではなく落ち着いた指導力を得られれば、この国の私たちはもっとたくさんのことを達成できると思うからです。そして、LGBTQ+の権利やIVF(体外受精)や、女性が自分の体について自分で決定する権利のため何十年も戦ってきたティム・ウォルズを、彼女が副大統領候補に選んだことで、私は本当にうれしかったし感心しました」とした。

そして、「私は自分で調べて、自分の選択を決めました。皆さんはそれぞれ皆さんで調べて、自分で決めてください」ともスウィフトさんは書き、さらに有権者登録を速やかに済ませるよう呼びかけた。

猫を抱いた写真を合わせて投稿したスウィフトさんは、「テイラー・スウィフト、子供のいない猫おばさん」と署名。これは、共和党副大統領候補のJ・D・ヴァンス上院議員がかつて、「子供のいない猫おばさんたち」は「みじめな人生を送っている」と発言したことを踏まえたものと思われる。ヴァンス候補は2021年のその発言について副大統領候補としてあらためて問われても、「皮肉だった」と説明はしたものの、撤回や謝罪はしていない。

スウィフトさんは2020年大統領選でも、民主党のバイデン候補を支持すると同年10月に発表していた。さらに、2020年5月にミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官に押さえつけられて死亡した事件の後、全国的に起きた抗議行動に対する当時のトランプ政権の対応も公然と批判していた。

当時スウィフトさんはツイッター(現X)で、「大統領として一貫して白人至上主義と人種差別の炎をあおっておきながら、今になって暴力を脅す前に自分は道徳的に優れているふりをするなど、どういう神経なのか」、「11月にあなたを落選させる」と書いていた。

今年11月の選挙に向けては、歌手ジョン・レジェンドさん、俳優ジョージ・クルーニーさん、映画監督スパイク・リーさんといった芸能関係者がすでにハリス副大統領への支持を表明している。政界からは、共和党重鎮だったディック・チェイニー元副大統領と娘のリズ・チェイニー前下院議員が、ハリス候補に投票すると発表した。

他方、元レスラーのハルク・ホーガンさん、テレビスターのアンバー・ローズさん、「X」を所有する大富豪イーロン・マスクさんといった著名人が、トランプ候補への支持を表明している。

(英語記事 Taylor Swift endorses 'warrior' Kamala Harris for president

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cm2nm0l48m1o


新着記事

»もっと見る