ドナルド・トランプ前米大統領が7月13日、東部ペンシルヴェニア州バトラーで開いた支援者集会で演説中、銃声のようなものが響いた。前大統領は顔をしかめ、右耳を手で押さえ、すぐさま屈みこんだ。
約135メートル離れた建物の屋根の上で、ライフルを構えていたトマス・クルックス容疑者を、警護担当がその場で射殺した。容疑者の発砲によって、観衆の1人が死亡し、2人が負傷した。
発砲直前に容疑者を目撃したグレッグ・スミスさんは事件の直後、BBCのギャリー・オドノヒュー北米特派員の取材を現場で受け、前大統領が演説を始める5分ほど前に屋根の上を這（は）う不審な人影を見かけたと話した。その人影について、グレッグさんは警察に指摘したという。
現場でグレッグさんに話を聞いたBBCの動画は、大いに話題になり、広く拡散された。
オドノヒュー記者は10月、再びバトラーに戻り、スミスさんに再会。当時についてあらためて話をきいた。スミスさんは、銃を持った男が屋根の上にいるのに「どうして誰も何もしないんだ」といらだったのを、いまだに思い出すと話した。
トランプ前大統領は5日、バトラーに戻り、再び支持者集会を開く予定。
