うだるような暑さも終わり、やっと夜空も澄んできたように思います。
秋の夜長に、「サイエンス」本を読んでみるのはいかがでしょうか?
人類の知識の探究
『計測の科学 人類が生み出した福音と災厄』ジェームズ・ヴィンセント(著)、小坂恵理(訳)築地書館、3520円(税込)
昨年の8月の東京は、31日連続で30度以上の「真夏日」が続いたそうだ。しかし、この30度という単位はどうやってつくられたのか? と問われたら知っている人が少ないのではないだろうか。かのナポレオンはフランスが生み出したメートル法について「征服者はいつか去る。だが、この偉業は永遠である」と言ったそうだ。もう一つ付け加えれば、度量衡が混乱していたことがフランス革命の要因の一つになったとか。「計測の歴史」に迫る一冊。
シミュレーション
『THE UNIVERSE IN A BOX 箱の中の宇宙 あたらしい宇宙138億年の歴史』アンドリュー・ポンチェン(著)、竹内薫(訳)ダイヤモンド社、2420円(税込)
夏の夜、とある田舎で夜空を見上げると「夏の大三角」、うっすらと天の川らしきものを見ることができた。この宇宙を構成する要素として人間が知っているのは、その5%に過ぎず、残りの95%は、ダークマターやダークエネルギーという、人類にとって未知なもので、できているという。未知であるのになんでそんなことが分かるのかといえば、「シミュレーション」の賜物なのだ。スーパーコンピューターによって新しい宇宙の歴史像を示す。