北朝鮮は9日から韓国への道路と鉄道を遮断し、両国を「完全に分離」すると発表した。
北朝鮮の朝鮮人民軍は、「南部の国境を永久に遮断し封鎖する」とし、国境地域を要塞化するとした。
また、今回の動きを「戦争を抑制するための自衛的措置」と説明。韓国で戦争を想定した軍事演習が実施され、アメリカの核戦略資産が頻繁に出現することへの対応だとした。
朝鮮半島における南北間の緊張は、ここ数年で最も高まっている。今回の北朝鮮の措置は、敵意が深刻化していることを示している。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信（KCNA）の記事の中で朝鮮人民軍は、「朝鮮半島における深刻な軍事情勢によって、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の軍隊が国の安全をより見事に守るためには、いっそう断固とした強力な措置が必要となっている」とした。
今回の発表は、象徴的な意味が大きい。北朝鮮と韓国を結ぶ道路や鉄道はほとんど利用されておらず、北朝鮮当局は昨年から解体を進めてきた。
北朝鮮は、韓国との関係を変化させようと、さまざまな取り組みを続けている。ミサイル発射実験や、ごみをぶら下げた風船を韓国に飛ばす行為などは、両国関係を悪化させている。
最高指導者の金正恩（キム・ジョンウン）総書記は2023年初め、韓国との統一に向けて努力することは、もはやないと表明。朝鮮半島での戦争再開の懸念が高まった。
北朝鮮では8日まで、最高人民会議が開かれていた。道路と鉄道の遮断という今回の決定が、この会議での議論の結果なのかは不明。
（英語記事 North Korea says it will cut off all roads to the South）
