ワシントン・ポスト紙の9月13日付社説‘'Never again’ is not enough to stop the genocide of Myanmar’s Rohingya’が、ミャンマーのラカイン州における政府軍と少数民族のアラカン軍の戦闘に同州の少数派ロヒンギャが巻き込まれ犠牲が増えている状況を指摘して、米国と世界にはまだ出来ることがあると論じている。要旨は次の通り。
2017年、ミャンマー政府軍は392のロヒンギャの集落を破壊し、3万超の人を殺害した。数千人がレイプされた。世界中で多くの人が虐殺に反対の声をあげた。バイデン政権は22年になってからであるが、ジェノサイドと認定した。
しかし、軍政と内戦という状況は基本的に何も変わっていない。今日、ロヒンギャは再び暴力的な民族浄化の脅威に晒されており、7年前に比べて一層危険な状態にあるのかも知れない。仏教徒が多数のミャンマーにあってムスリムの少数派であるロヒンギャは、軍だけではなく反乱組織であるアラカン軍による攻撃にも晒されている。
昨年、Brotherhood Allianceと称するアラカン軍を含む3つの少数民族の連合体が攻撃を仕掛けて以来、反乱軍は中国、タイ、ラオス、インドとの国境地帯において軍の拠点や町を掌握するなど、大きな成果をあげている。しかし、軍は首都のネピドーとヤンゴンを含む大都市をガッチリ握っており、内戦は血生臭い膠着状態に陥っている。
問題は、17年に75万のロヒンギャがバングラデシュに逃避を余儀なくされコックスバザールに世界最大の難民キャンプが作られることとなった際よりも、米国および世界が効果的に対応するかどうかであるが、これまでのところ、反応は大体において沈黙と不作為である。
ジェノサイドかどうかは国際司法裁判所(ICJ)と国際刑事裁判所(ICC)でそれぞれ調査されている。軍事政権はこれを否定しており、今なお中国やカンボジア、ラオスなど幾つかの東南アジアの諸国の外交的支持を得ている。
バイデン政権にはもっと出来ることがある。100万に近い難民を抱えるバングラデシュの暫定政権には追加的なリソースと支持が必要である。