2024年11月25日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年10月9日

ロヒンギャの帰還は一筋縄ではない

 このように、ラカイン州が置かれた情勢は複雑であり、政府軍とアラカン軍の戦闘に巻き込まれたロヒンギャの犠牲が拡大している。彼らに対する人道支援の強化は必要であるが、この社説が説く措置がロヒンギャの境遇を救う上でどの程度効果的かには疑問がある。ましてや、コックスバザールのロヒンギャ難民の帰還の展望が開ける状況にはない。

 Crisis Groupは、結局のところ、外部の諸国にとって人道上および安全の観点で最も効果がありそうな方途は、アラカン軍のようなラカイン州で事実上の権力を握る勢力と共通の目標に向けて協力することではないかとの見解を述べている。いずれ、そうならざるを得ないのかも知れないが、そのような方向に一直線に進み得るようには思われない。

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