男性優位のトランプ候補VS女性の支持広げるハリス候補――。投票日まで1カ月を切った米大統領選では、両候補をめぐる男女間の得票差が勝敗の決め手となる可能性が高まってきた。米メディアは「史上かつてない男女間の戦いの様相」とまで評している。
男性支持伸ばすトランプ、女性支持伸ばすハリス
米NBCテレビが去る9月22日発表した有権者動向調査結果によると、女性有権者層での支持率ではハリス候補が58%、トランプ候補が37%と、ハリス候補が21%の大差をつけている。
しかし逆に、男性支持率ではトランプ候補52%に対し、ハリス候補は40%にとどまり、トランプ氏が12%リードしている。
ABCテレビが去る9月4日、公表した調査結果では、女性支持率でハリス候補が13%、男性支持率でトランプ候補が5%それぞれ相手候補を上回っており、その後3週間でともにその差がさらに大きく開いた可能性がある。
男女間での両候補支持率は、各テレビ局調査によって多少のばらつきがあるものの、どの調査にも共通する傾向として、①ハリス、トランプ両候補ともに、民主、共和それぞれの党大会で候補指名獲得後、有権者全体の支持率に大きな変化はない、②しかし、ハリス候補はその後、女性支持率で大きく伸ばし、逆にトランプ候補の男性支持率も8%前後も高くなった――ことが指摘されるという。
男女間の支持率ギャップについて、2020年大統領選を振り返ると、バイデン氏は女性獲得票でトランプ氏を13%上回り、男性票では両者ほぼ互角だった。また、16年選挙では、トランプ氏が男性獲得票で12%の差をつけ勝利したものの、女性獲得票では、ヒラリー・クリントン候補に同じ12%のリードを許した。
しかし、今回は、ハリス候補が女性有権者間でトランプ候補を21%引き離す一方、男性間ではトランプ氏がハリス氏に12%の差をつける構図となっている。まさに「男性対女性の大統領選挙(boys versus girls election)」(ABCテレビ・ニュース解説者)といわれるゆえんだ。