2024年10月10日(木)

BBC News

2024年10月10日

アメリカのジョー・バイデン大統領は9日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談を行った。両首脳が会談するのは数週間ぶりのもよう。

中東情勢の緊張が高まるなか、バイデン大統領とネタニヤフ首相の直接会談が待望されていた。両首脳は、イランが1日に行ったミサイル攻撃に対するイスラエルの対応について話し合ったとみられる。

米ホワイトハウスによると、カマラ・ハリス副大統領も30分間の電話会議に参加した。

電話会議が終わって間もなく、イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相は、イランに対する報復攻撃は「致命的な、正確な、そして何よりも予想外のものになる」と述べた。

「イランは何が起こったのか、そしてそれがどのように起こったのか理解できないだろう。イランは結果を目にするだろう」とガラント氏は語った。

ホワイトハウスのカリーン・ジャン=ピエール報道官は、両首脳の会談を「率直で非常に生産的だった」と表現した。

また、イランの攻撃に関する協議は継続中だと述べたほか、ベイルートの主要空港が機能している限り、アメリカはレバノン滞在中のアメリカ人に対して航空便を確保し続けると記者団に語った。

ヒズボラとの戦闘続く、イスラエル側で初の民間人の死者

中東地域では、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルとの戦闘が続いている。レバノン南部シドン市の近くでは、イスラエルの空爆によって4人が死亡した。

一方、イスラエルの小さな町キリヤット・シュモナでは、レバノンから発射されたヒズボラのロケット弾によって、犬の散歩をしていた夫妻が死亡した。

9月末に国境を越えた紛争が劇的にエスカレートして以来、イスラエルの民間人の死者が出たのは初めて。

また、イスラエルの港湾都市ハイファにもロケット弾が飛来し、少なくとも5人が負傷した。

イスラエルは、9月30日にレバノン南部への地上侵攻を開始して以来、1100回以上の空爆を実施したと発表した。

9日夜に発表された最新情報によると、イスラエル空軍は戦闘機、ヘリコプター、ドローン(無人機)を使用してヒズボラの拠点を攻撃したと。また、ガザ北部でも、ジャバリア難民キャンプでの戦闘の一環として300カ所の目標攻撃したという。

ネタニヤフ氏はかねて、イランがミサイル攻撃への「代償を支払う」ことになるだろうと公言している。一方イランはこの攻撃について、イスラエルのレバノンへの侵攻と、ヒズボラ指導者だった故ハッサン・ナスララ師を含む同盟組織トップの相次ぐ暗殺に対する報復だとしている。

アメリカはイスラエルが報復する権利を擁護しているが、同時にイランへの対応を限定しようとしているようにも見える。

レバノン政府によると、過去1年間に120万人もの人々が家を追われたという。認定の避難センターには約18万人が滞在している。

さらに、40万人以上が戦乱の続くシリアに逃れており、その中には20万人以上のシリア難民も含まれている。この状況について、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップは「悲劇的な不条理」の一つだと表現した。

レバノンで大きな影響力を持つシーア派イスラム主義の政治・軍事・社会組織であるヒズボラは、指導者や軍の最高司令官のほとんどが殺害されるなど、ここ数週間で壊滅的な打撃を次々と受けたにもかかわらず、依然として反抗の態度を崩していない。

ヒズボラは7日、「イスラエルの侵略に反対する我々の抵抗能力に(中略)自信を持っている」と主張した。

イスラエル政府はヒズボラをテロ組織に指定しており、パレスチナ・ガザ地区での戦争に端を発した1年間にわたる越境攻撃の後、何万人もの避難住民がレバノン国境付近の自宅に帰還できるよう安全を確保すると約束した。

ヒズボラは、同盟相手のハマスと連帯するとして、ハマスがイスラエル南部を襲撃した翌日の昨年10月8日にイスラエル北部にロケット弾を発射。その後、敵対行為は着実にエスカレートしていった。

(英語記事 Biden and Netanyahu speak as Israel mulls Iran response

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/ce9jmvky5llo


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