2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年10月30日

―侵攻が始まった時、キーウは数日で陥落するとNATOは警告したが、持ち堪えた。

 「それは賭けだった。もし、キーウが落ちて、ロシアがゼレンスキーを捕えれば――すんでのところまで行った――戦争全体が非常に違ったものになっていたであろう」。

―戦争の終わり方について

 「米国の選挙の後、何等かの動きを試めす新たなモメンタム、新たなイニシアチブが出て来るだろう。それは、交渉のテーブル周辺での動きとあいまって、戦場での動きを試みる色々な方法を含むものかも知れない」「ウクライナは何時交渉するのかまだ決めていない。しかし、彼等がロシア人と膝を交え受諾可能な何等かのもの(独立国家として生き残れる何等かのもの)を得ることを可能にする条件を我々は作ってやる必要がある」。

―ウクライナは直ちにNATOに加盟することを欲しているが、米国とドイツは、条約第5条故にウクライナのNATO加盟はロシアとの戦争を招くとして、加盟に反対している。

 「必ずしも国際的に承認された国境でなくとも、或る線があれば、解決の方法はある」「100%正しい類似性はないので、比較は常に危険であるが、米国は日本に安全上の保証を与えている。しかし、その保証は、日本が自国領と見做すがロシアが支配する千島列島をカバーしていない」「西独は東独をドイツの一部と見做していた。が、NATOは西独だけを保護していた」「意思があれば、常に解決を見出す方途はある。しかし、条約第5条が発動される場所を定義する線は必要であり、ウクライナはその国境までのすべての領域を支配していなければならない」。

*   *   *

見えない兵器使用制限の問題

 上記は、14年以来、約10年間にわたりNATO事務総長を務めたストルテンベルグのインタビュー記事である。以下、幾つか気づきの点をコメントする。

 一つ目は、ウクライナに西側諸国が供与した兵器の使用制限の問題である。ストルテンベルグが退任した現在、どう考えているのか興味があるが、このインタビューでは言及していない。


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