2024年11月22日(金)

プーチンのロシア

2024年11月7日

〝異例の〟早さでゼレンスキーが祝福

 現地時間6日午前にゼレンスキー氏がトランプ氏への大統領当選祝福メッセージを出したのは、異例だった。この時点で欧州で祝福メッセージを表明していたのは、親露派のハンガリーのヴィクトル・オルバン首相のみ。トランプ氏の強力な支援者だった米実業家、イーロン・マスク氏が運営する「X」での祝福表明は、まるで予定稿を用意し、あとはボタンを押すだけだったような印象を受ける。

 ウクライナ語バージョンは国民向けに。そしてもう一つの英語バージョンはトランプ氏に選挙で投票した共和党支持者に対して向けられ、ウクライナ支援を継続してほしいと訴えたものだろう。

 ゼレンスキー氏は祝福メッセージでこう訴えた。

 「私は国際情勢において、トランプ氏が『力を通じた平和』のアプローチを果たそうとしていることを高く評価している。これはまさに、ウクライナで真の平和を実際にもたらすことを近づける原則であり、私たちは一緒にこのアクションを実行に移すことを期待している」

 一方、今回の選挙結果についてプーチン政権の反応はどうだったのか?

 大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は声明を出し、米国はロシアと戦っている「非友好国」であり、「プーチン大統領が歓迎のコメントを出す予定はまだない」と述べた。

 トランプ氏がこれまで述べてきたのは選挙期間中の政治レトリックであり、実際に執務につけばどうなるかわからないというプーチン政権内での分析があるからだろう。実際に、プーチン大統領自身もバイデン氏の方が「経験豊富で予測可能な政治家」として再選を望んでいると発言したこともある。

 ペスコフ氏は「米国はウクライナに対する外交政策の軌道を変えることができるが、それが行われるかどうかは(トランプ氏が就任する)来年1月以降に判明するだろう」とも語った。「戦争を止める」と宣言したトランプ氏の次なる一手が注目される。

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