2024年4月19日(金)

田部康喜のTV読本

2014年2月19日

 そして、詐欺師の部屋で殺された彼を発見する。そのとき、殺人犯は部屋の隅から現れて、彼女たちに偽の証言をするように脅迫するのであった。最初の似顔絵の男は、週刊誌の裏表紙に掲載されていた、宣伝の登場人物であった。殺人犯はその人相を警察に告げるようにいう。

 似顔絵を作り直す作業が改めて行われる。そこに現れた犯人の顔は、死体が詰め込まれたボストンバックが捨てられていた現場を保存するために、立ち番をしていた制服の警察官だった。詐欺師の片棒をかついで、被害者たちの隠し撮りをしていたばかりか、詐欺師に捜査情報を漏らしていた。

刑事物のドラマの二重性に驚かされる

 真壁は、この事件から捜査情報を夫の警察官が漏らすことはありえないが、何らかの情報漏えい事件にからんで殺されたのはないかと、疑いだすのであった。

 管理官の梶山に、真壁は携帯電話でそのことを告げる。電話を切った梶山が正面を向くと、そこにいるのは、刑事部長の郷原であった。

 「真壁が気づき始めたようです」と梶山は告げる。

 上司や同僚から裏切られているかもしれない。見巧者の観客は、刑事物のドラマの二重性に驚かされ、サスペンスの行方にひきずられるようにして次回も観ようと、思うのではないか。

 キントリに対抗する捜査一課の面々にも、渋い脇役たちが登場する。捜査一課長・相馬一成役の篠井英介は、時代劇から現代劇まで巧みにこなすバイプレイヤーである。その部下の監物大二郎役の鈴木浩介。フジテレビの「ショムニ2013」の上司にすり寄る人事部員・下落合耕一役である。リーゼントスタイルのような髪を固めた、エキセントリックだが正義感あふれる刑事を好演している。(敬称略)

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。


新着記事

»もっと見る