バーチャルリアリティ「Varjo」
Varjo社は産業レベルのVR、ミクスド・リアリティのハード及びソフトを製造販売する企業である。VRヘッドセットとしてはXR-4シリーズ、XR-4セキュアエディションなどがあるが、同社の優れた技術の一つがTeleportと呼ばれるスマホのみを使ってウルトラハイレゾリューションの3Dスキャンを行える、というものだ。このサービスは1カ月29.99ドルで提供される。
Varjo社のヘッドセットは産業用に開発されたもので、顧客としては防衛産業、政府系団体、宇宙関連、教育、ヘルスケア、医療、自動車関連など。ユースケースとしてはトレーニングとシミュレーション、デザインとビジュアリゼーション、リサーチ、セールスとマーケティングなどが挙げられる。
VRとミクスド・リアリティを用いることで、利用者は現実世界のデジタルツインをヘッドセット上に展開でき、そこでトレーニングを行う、遠隔地にいても同じ環境をシェアできる、などの利点がある。特に自動車業界ではトップ20の大手企業のうち16社がVarjoのシステムを採用している、という。デザインの調整を行う、デジタルプロトタイプを制作する、リモートでグローバルにデザインレビューを行う、販売において顧客にバーチャル体験を提供する、などの利用法がある。
Varjoの技術には世界中から注目が集まり、最新の投資ラウンドではNVIDIAと並んで日本の西川コミュニケーションズも投資に参加した。西川コミュニケーションズでは同社のHPでVarjo社製品の取扱を行っている。https://www.nico-cgi.jp/products/varjoxr4/index.html
Varjoはフィンランドのスタートアップの中でも成長著しい企業で、フィンランドFAA(航空管制局)のフライトシミュレーションに採用された他、米空軍のオペレーションテスト・トレーニングインフラ(OTTI)基準に合致するなど、高い精度とセキュリティを実現している。つまり戦闘機のトレーニング、フライトシミュレーションとしての需要も今後高まり、あらゆる産業全体のトレーニングやR&Dのコスト削減に役立つ存在として注目を集めそうだ。