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2014年3月11日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

記事(2)【2014年1月15日 環球網(抄訳)】 

 2012年は中国とウクライナの国交樹立20周年の年だった。両国間は既に戦略的パートナーシップを結んでいるが、記念活動は全く盛り上がっていない。4月にウクライナの農業大手ULFと中工国際が40億ドル分の協力契約に調印したことと5月に民間航空機用のエンジンについての全面的協力で契約が結ばれたぐらいだ。

 双方はあたかも軍需産業分野の協力を避けているかのようであり、兵器取引には言及されていない。実際には中国はウクライナにとって軍事工業での一番の消費国だが、ウクライナ側といえば、中国が同国にとって一番の軍事技術パートナーとなることを期待していたのだ。

 中国はウクライナから欲しい技術は既にほぼ全て手に入れることができた。ただウクライナの軍需産業を知り尽くしたとはいえ、個々の技術分野で両国は依然として協力を続けている。

ソ連時代の友好関係が役立った

 中国とウクライナの軍需産業分野での協力はソ連の解体という特殊な時期に始まった。当時、独立国家共同体(CIS)のメンバー各国は政情不安で多くの工場が閉鎖され、多くの専門家は失業し、収入が激減した。米国、ドイツ、イスラエル、韓国、シンガポールなどの研究機構は専門家をロシアやウクライナに派遣して好条件で人材リクルートを図った。

 中国にとっては(ソ連が崩壊してからも:筆者)ソ連時代の友好関係が役立っており、ソ連に留学経験のある学者が友人に連絡を取ることでトップクラスの専門家たちが中国にやって来るようになった。彼らの多くは中ソ友好を重視し、高い経済的要求もせず、技術や材料を惜しげもなく提供した。

 中国政府はソ連の軍需産業に従事した人材をリクルートすべく「二つを受け入れるプロジェクト(双引工程)」を起動させて独立国家共同体の人材と技術の導入に着手した。当時の李鵬総理は、わが国にとって(崩壊したソ連からの人材獲得は:筆者)千載一遇のチャンスであり、これを見逃す手はないと指摘している。中国は2002年までの10年間にロシアや独立国家共同体から専門家1万人と2000件超の技術を獲得した。

 2008年に北京オリンピックを開催することが決まると契約数も増えた。欧米の安全保障専門家の分析によると、このころ「中華イージス」艦の設計に着手した。

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