2025年3月30日(日)

BBC News

2025年3月24日

病院のバルコニーから見下ろせる広場にたくさんの人が集まっている。バルコニーからは、車いすに乗ったローマ教皇が人々に手を振っている

肺炎などにかかり入院していたキリスト教カトリック教会のローマ教皇フランシスコ(88)は23日、退院した。退院の直前には、病院のバルコニーから姿を見せ、集まった信徒に祝福を与えた。

医師によると、教皇はローマ教皇庁(ヴァチカン)に戻った後、少なくともさらに2カ月の休養が必要だという。

教皇は2月14日、呼吸器に異常が見られたためローマのジェメッリ病院に入院。当初は気管支炎の治療を受け、その後、両肺の肺炎と診断された。

医療チーム責任者のセルジョ・アルフィエーリ教授は、過去5週間の間に「命に係わる」非常に危険な事態が2回あったと述べた。

しかし教皇は挿管されることなく、常に清明な意識と見当識を保っていたという。

教皇は完全に回復していないものの、肺炎は治っており、今後の経過が良ければ、できるだけ早く公務に復帰する予定だと、医師らは述べている。

ローマのロベルト・グアルティエリ市長はBBCに対し、「フランシスコ教皇が病院を出るのを見て、本当にとてもうれしくて、感動した」と語った。

「これはローマと世界への素晴らしい贈り物だ(中略)私たちは教皇を応援しているし、教皇を非常に身近に感じる」と市長は述べた。

この日、病院の外には教皇の姿を待つ人が大勢集まった。

「教皇を見たとき、正直少し安心した」、と米ペンシルヴェニア州グリーンズバーグ教区のラリー・クーリック司教は述べた。「教皇の姿を目にして、とてつもなくうれしかった」。

ローマ出身の歌手、イラリア・デッラ・ビディアさんは、「この病院の小さな広場にいて感じる愛情はまるで天国のようで、ずっと泣いていた」と話した。

ブラジル出身のアナ・マトスさんは、「今日ブラジルから到着したばかり」で、教皇が姿を見せる「30秒前に病院の外に到着した」と述べた。「息子が生まれた時のような素晴らしい気持ちだった。教皇が健康で、笑顔を見せてくれて本当にうれしかった」。

入院以降、教皇の姿が公開されたのは、先週ヴァチカンが公開した病院の礼拝堂で祈る写真だけだった。

今月初めには、ヴァチカンのサンピエトロ広場で、教皇の音声録音が流された。教皇の声は息切れしており、カトリック信者たちの祈りに感謝していた。

教皇は過去に胸膜炎を発症しており、21歳のときには肺の一部を摘出しているため、細菌やウイルス、真菌によって引き起こされる肺炎に特にかかりやすい。

ローマ・カトリック教会の指導者となってこれまでの12年間で、教皇は何度も入院している。2023年3月にも同じ病院に入院し、気管支炎の治療を受けた。

(英語記事 Pope Francis is discharged from Rome hospital

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c5y0w8dq4g7o


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