
パレスチナ・ガザ地区の病院が23日夜、イスラエル軍の空爆を受け、ハマス指導者とその側近が殺害された。イスラム組織ハマスの幹部がBBCに話した。
ハマス幹部によると、南部ハンユニスの主要医療施設のナセル病院が空爆され、ハマスの財務部門トップのイスマイル・バルフーム氏が殺された。同氏は4日前に空爆で負傷し、同病院で治療を受けていたという。
一方、イスラエル軍は、「広範な情報収集プロセス」を経て、ナセル病院の敷地内で活動していたハマスの主要メンバーを攻撃したと発表した。周囲の被害を軽くするため、「正確な弾薬」を使ったとした。
これに対し、ハマスが運営する保健当局は、医療関係者を含む「その他大勢」がけがを負ったとした。また、空爆によって大部分が破壊された病院部局から人々が避難したとした。
BBCが検証した映像には、空爆後に消火活動をする人たちが映っている。
イスラエルは、ハマスが武器の隠し場所や司令部として病院を利用していると、繰り返し非難している。ハマスはこれを否定している。
ハンユニスで23日にあったイスラエルによる別の空爆では、ハマスの指導者サラフ・アルバルダウィール氏が殺害されたと、当局者がBBCに話した。
ガザ保健当局によると、23日は朝の時点で少なくとも30人が、ハンユニスとラファで殺害されたという。
イスラエルは今月18日にガザでの軍事作戦を再開。約2カ月続いた停戦を終わらせた。以来、イスラエルによる空爆で多くの人々が殺されている。
イスラエルは、停戦の第1段階を延長させるアメリカ案を拒否したとして、ハマスを非難している。一方、ハマスはイスラエルが1月の合意内容を守っていないと責めている。
現在の戦争は、ハマスが2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、民間人を中心に約1200人を殺害、251人を人質に取ったことから始まった。
イスラエルは軍事攻撃で対抗し、ガザでハマスを壊滅するとした。ガザ保健当局は、ガザでの死者は5万人を超えたとしている。
(英語記事 Israeli strike at Gaza hospital kills Hamas official and aide)