2025年3月30日(日)

BBC News

2025年3月25日

米コロラド州議会の議事堂に飾られていたトランプ氏の肖像画

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ドナルド・トランプ米大統領に新しい肖像画を贈ったと、両国の高官が24 日認めた。一方でトランプ大統領は、既存の公式肖像画を「本当に最悪」だと酷評した。

新しい肖像画は公開されていない。クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は24日、これは「個人的な贈り物」で、詳細はプーチン大統領だけが明かすことができると話した。

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、コロラド州の議会議事堂に掛けられていた以前の肖像画を批判。この肖像画は24日に撤去された。

自身のイメージを大切にしているトランプ氏だが、今年1月にこの肖像画を発表した際には、同氏に批判的な人々が「真剣」「不吉」などと評した。

今回の贈り物は、トランプ大統領が1月にホワイトハウスに戻ってから、ロシアとの間で外交関係が改善していることを示している。

24日には、トランプ大統領のウクライナでの戦争終結への取り組みの一環として、アメリカとロシアの代表団がサウジアラビアで会談し、交渉を進めた。

トランプ大統領の中東担当特使であるスティーヴ・ウィトコフ氏は、10日前にロシアを訪問した際に新しい絵画を受け取り、ワシントンに運ぶよう依頼されたことを認めた。

ウィトコフ氏はこの「美しい肖像画」について、「ロシアの著名な芸術家」によるものだと説明したが、それ以上は明らかにしなかった。一方で、トランプ大統領は「明らかに感動していた」と付け加えた。

ウィトコフ氏によると、、会談したプーチン氏は「親切」で、昨年のトランプ氏の暗殺未遂事件の後、同氏のために祈ったと話したという。

ペンシルヴェニア州での集会で発生したこの事件は、トランプ氏の最も象徴的ともいえるイメージを生み出した。

AP通信の写真記者エヴァン・ヴッチ氏は、トランプ氏が耳から血を流しながら、挑戦的に拳を突き上げ、「戦え、戦え、戦え」と支持者に呼びかける瞬間を撮影した。このイメージはトランプ氏によってさらに神話化され、自著の表紙にも使われた。

「わざとゆがめられている」

トランプ氏は、プーチン氏から送られた肖像画についてまだ公にコメントしていない。しかし、コロラド州の肖像画については意見を表明し、好みを明確している。

24日朝の投稿の中でトランプ氏は、2019年に議事堂に贈られたイギリス出身のサラ・ボードマン氏による肖像画は「わざとゆがめられており、私がこれまで見たことがないレベルだ」と述べた。

また、同じ芸術家によるバラク・オバマ氏の肖像画とは異なると書いた。トランプ氏はめずらしく1期目の前任者を称賛し、肖像画のオバマ氏は「素晴らしい」と述べた。

トランプ氏は昨年の選挙活動中に最大約13.6キログラム減量したと報じられている。トランプ氏は記者団に対し、「とても忙しくて、あまり食べることができなかった」と語った。

また、トランプ氏はこの肖像画を政治的な主張に利用しており、コロラド州のジャレッド・ポリス知事を「過激派」で「犯罪に対して非常に弱い」と評した。

米メディアは、この肖像画とポリス氏は無関係だと指摘。共和党員によって開始されたクラウドファンディング活動の結果だと報じた。この肖像画は、壁の空白を埋めるために注文されたとされる。その空白は一時、いたずらによってプーチン大統領の画像で埋められていたという。

コロラド州下院民主党の報道官は、トランプ氏からの反発を受けて、両党の指導者からなる委員会が24日午後、この絵画の撤去を命じたと述べた。この肖像画は「通知があるまで」安全な場所に保管されるという。

BBCは、ボードマン氏にコメントを求めている。ボードマン氏は2019年に地元紙コロラド・タイムズ・レコーダーとのインタビューで、「常に何らかの形で、大統領に対する怒りがある。それは人間の本性だ」と認めた。

(英語記事 Trump bemoans a portrait of him - but gets a new one from Putin

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cqx0ne38p7xo


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