2025年3月30日(日)

BBC News

2025年3月26日

ガザ北部ベイトラヒアでは何百人もがハマスに対する抗議デモに参加した

パレスチナ・ガザ地区で25日、同地区を実効支配するイスラム組織ハマスに対する抗議デモが行われ、何百人もが同組織に権力を手放すよう求めた。ガザでの反ハマス・デモとしては、イスラエルとハマスの戦争が始まって以来、最大規模。

覆面姿のハマス戦闘員は銃や棒を持ち、抗議行動に介入。デモ隊を強制的に解散させたり、数人に暴行を加えたりした。

ハマスに批判的な活動家たちがソーシャルメディアで広く共有した複数の動画では、ガザ北部ベイトラヒアで若い男性たちが行進している。参加者は「出ていけ、出ていけ、出ていけ、ハマスは出ていけ」と声をあげている。

ハマスの支持者たちは、抗議デモは大きな意味をもたないとし、参加者は裏切り者だと非難した。ハマスはこれまでのところコメントしていない。

ガザ北部での抗議デモは、ガザの武装組織イスラム聖戦機構がイスラエルに向けてロケット弾を複数発射したことを受け、イスラエルがベイトラヒアの大部分に避難命令を出した翌日に行われた。

イスラエルは、アメリカが提案したガザ停戦合意の第1段階の延長と、人質のさらなる解放を求めていた。しかし、ハマスは延長を受け入れず、イスラエルは約2カ月ぶりにガザでの軍事作戦を再開した。ハマス側は、イスラエルが1月に合意した当初の取り決めを破棄したと非難している。

イスラエルが3月18日にガザへの空爆を再開して以来、パレスチナ人数百人が死亡し、数千人が家を追われている。

「ハマス支配を打倒せよ」

25日の反ハマス抗議デモに参加した、ベイトラヒアの住民モハメド・ディアブさんは、この戦争で自宅が破壊され、1年前にはイスラエルの空爆できょうだいを失ったという。

「私たちは誰かのためとか、何らかの当事者の意図のためとか、外国の利益のために死ぬことを拒否する」と、ディアブさんは述べた。

「ハマスは退陣し、悲嘆に暮れる人々の声や、がれきの下から湧き上がる声に耳を傾けなければならない」

ベイトラヒアで撮影された動画には、「ハマスの支配を打倒せよ、ムスリム同胞団の支配を打倒せよ」と叫ぶデモ参加者も映っていた。

ハマスは2006年1月のパレスチナ立法評議会選挙で過半数を得たのち、2007年6月にガザ地区を制圧。ライバル勢力を暴力的に追放し、ガザを独自に支配してきた。

2023年10月の開戦以来、ガザでは路上でもオンライン上でも、ハマスを公然と批判する動きが強まっている。それでもなお、ハマスにきわめて忠実な人々は存在する。ハマスへの支持がどこまで変化したのかを正確に測るのは難しい。

戦争が始まるずっと以前から、ハマスに批判的な人々はいたものの、その大半は報復を恐れて表立って活動はしてこなかった。

ガザ住民のモハメド・アル・ナジャーさんは、「あえて言うが、ハマスは一体何を賭けているのか。彼らは私たちの血を賭けている。世界中がただの数字としか見ていない血を賭けている」とフェイスブックに投稿した。

「ハマスでさえ、私たちを数字とみなしている。権力の座から退き、私たちに傷の手当てをさせてほしい」

ガザでの現在の戦争は、ハマスが2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、約1200人を殺害、251人を人質に取ったことで始まった。

イスラエルはハマス壊滅を掲げた軍事行動で応戦。ハマス運営のガザ保健当局は、パレスチナ人5万人以上が殺されたとしている。

ガザでは人口210万人のほとんどが何度も避難を余儀なくされている。また、建物の約70%が損傷または破壊され、医療、給水、衛生システムが崩壊し、食料、燃料、薬品、シェルターが不足している。

(英語記事 Hundreds join Gaza's largest anti-Hamas protest since war began

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cm2nd773lm4o


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