
パレスチナ・ガザ地区の武装組織ハマスは29日、仲介者が提案したガザでの停戦再開を支持していると発表した。この提案では、イスラエルの人質5人の人質を解放する代わりに、50日間の停戦が行われる。
ガザ地区外で最高位のハマス指導者、ハリル・アルハイヤ氏は、エジプトとカタールの仲介者が送った草案を承認したと述べた。
一方、イスラエル首相府は、計画を受け取り、アメリカと完全に協調したうえで、仲介者に「対案」を提出したと発表した。
イスラエルの対案にはアメリカが合意しているものの、詳細は明かされなかった。アメリカはこの件について公にコメントしていない。
ガザをめぐっては、1月19日に発効した停戦の第1段階が3月1日に終了したものの、ハマスとイスラエルは第2段階の合意に至ることができなかった。その後、イスラエル軍は南部ラファで地上作戦を再開したほか、ガザ地区全域で空爆を続けている。
第1段階では、ハマスは33人の人質を解放した。イランが支援するこの組織は、まだ59人の人質を拘束していると考えられているが、全員が生存しているわけではない。
ハマスは以前、イスラエル軍のガザからの完全撤退と戦争の終結を条件に、残りの人質全員を解放する第2段階の交渉を開始するという、本来の合意を守ることを主張していた。しかし、その交渉は開始されなかった。
イスラエルとアメリカは代わりに、停戦の第1段階延長を提案したが、戦争が終結する明確な保証はなかった。
イスラエルは、ハマスが停戦延長を拒否したと非難し、3月18日にガザへの軍事攻撃を再開した。
ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、それ以降、イスラエルの空爆で900人以上が死亡した。
一方、残りの人質の家族は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が停戦を破ったことで人質の命を危険にさらしていると非難している。
ハマスは先に、人質の一人のエルカナ・ボフボト氏が解放を求める様子の動画を公開した。
ハマスは2023年10月7日にイスラエル南部を攻撃し、約1200人を殺害、251人をガザに連れ去った。イスラエルはこれに大規模な軍事攻勢で応じ、ガザの保健省によると、これまでに5万人以上のパレスチナ人が殺されている。
(英語記事 Israel-Hamas ceasefire back on table in new negotiations)