
ミャンマー中部で3月28日に発生したマグニチュード7.7の大地震で、軍のミンアウンフライン司令官は1日、死者が2700人を超え、3000人以上となる可能性があるとテレビ演説で発表した。また、負傷者は4521人で、まだ何百人もが行方不明のままだと述べた。これらの人数は今後、増えるとみられている。BBC取材チームは、震源に近いマンダレーを取材した。
ミャンマーにおける死者については、米地質調査所(USGS)が地震の発生場所と規模から「1万人を超える可能性が高い」との見通しを出している。
BBCビルマ語のチームが取材したミャンマー第2の都市マンダレーは、きらびやかなパゴダ(仏塔)や仏教徒の墳墓が点在する黄金の街として知られてきた。だが今では、多くの遺体が積み重ねられており、においが漂っている。
現地の女子学生Jさん(23)は、「(遺体を)積み重なったまま火葬しなくてはならない」と話した。地震でおばを亡くしたが、「がれきから遺体が引き出されたのは2日たった3月30日だった」という。
他の住民も、食料と水が減る中で絶望に打ちひしがれながら、通りをさまよい、眠れぬ夜を過ごしていると話す。
通り沿いでは多くの人々が、自宅が余震に耐えられるか心配しながら、テントを張り、あるいは何もない状態で生活している。
Jさんは、「多くの人が路上でしゃがみ込み、大声で泣いているのを見た。私もそうしている1人だ」と話した。
マンダレーではこの日も、生存者の救出が続いた。消防当局は、1日までの4日間で403人を救助したと明らかにした。収容した遺体は259体だとしているが、実際の死者は公式発表を大幅に上回るとみられている。
市内で最も被害が大きかった建物の一つのスカイ・ヴィラ・コンドミニアムは、12階建ての6階分が崩れた。
近くに住む僧侶はBBCに、何人かが生きて救出されたが、この24時間では「遺体だけが収容されている」とし、「早く終わってほしい。中にはまだ多くの人(の遺体)がある。100体以上はあると思う」と話した。
マンダレー近郊の火葬場には、対応し切れないほどの遺体が運び込まれている。当局は、食料や飲み水などの物資に加え、遺体を収容する袋も不足しているとしている。
救助活動は、貧弱なインフラと内戦の影響で困難な状況が続いている。
今後、より多くの倒壊現場や孤立状態の地域に救助隊が入り、死者数が増え続けることが予想される。ミャンマーでは大災害の被害規模を、軍を小さめに発表してきた過去がある。
ミャンマーでは1日、犠牲者を追悼するために1分間の黙とうがささげられた。軍事政権は、国旗の半旗掲揚とメディア放送の停止を求め、国民に追悼の意を表するよう呼びかけた。
ミャンマーには、軍事政権を支えてきたロシアや中国が支援や専門家を送っている。
軍事政権はすべての支援を歓迎するとしているが、一部の人道支援活動家は、被災地へのアクセスが困難な状況だと報告している。
(英語記事 Mandalay was the 'city of gold' - now it reeks of death)