
米連邦議会上院のコーリー・ブッカー議員(ニュージャージー州、民主党)が1日、上院での演説最長記録を更新した。ドナルド・トランプ大統領に対する抗議を象徴するマラソン演説を、25時間4分かけて行った。
これまでの最長記録は、1957年にストロム・サーモンド上院議員(共和党)が公民権法に反対して行った演説の24時間18分だった。
ブッカー氏(55)は3月31日午後7時ごろ、演説を開始。体力の続く限り続けると表明し、アメリカが歴史における「重大かつ差し迫った」瞬間を迎えていると警告した。
演説を終えたのは、翌1日の午後8時6分だった。
法案通過を妨げるための演説(フィリバスター)ではなかったが、共和党が支配する上院での立法作業が滞った。こうした演説のルールでは、演説者は立ったまま、トイレ休憩も見送らなければならない。
同僚議員らが支援
ブッカー氏は議場で、トランプ氏の政策によって被害を受けたとする有権者らの手紙を読み上げることで、演説時間の一部を埋めた。また、スポーツについて話したり、詩を朗読したりして時間を稼いだ。同僚から質問を受けることで、あごを休ませたることができた。
ブッカー氏は民主党の上院第4位の幹部で、党大統領候補者選びに立候補したこともある。
アフリカ系アメリカ人のブッカー氏は、奴隷と奴隷使用者の子孫としての自らのルーツについても発言。「私がここにいるのは、彼は有力者だったが、民衆にはもっと力があるからだ」と、人種分離主義者だったサーモンド氏の68年前の演説記録に言及した。
ブッカー氏は記録を更新すると、「いま感じている生物学的な緊急性に対処」しようと思うと述べた。
現在、ホワイトハウス、上院、下院のすべての支配を失っている民主党は、ブッカー氏の象徴的な抗議行動を支持した。
(英語記事 Cory Booker breaks record for longest Senate speech after 24 hours)