2024年4月15日(月)

Wedge REPORT

2014年4月10日

イラン核問題をめぐる交渉の行方

 もう一つの問題国は、いうまでもなくイランだ。周知のように、イランの場合は、再処理よりもウラン濃縮が問題となっている。現在遠心分離工場が2カ所で稼働中で、すでに原爆数発分の高濃縮ウランを持っているとされる。イラン側は、「ウラン濃縮は平和目的である。昨年から稼働中のブシェール原発(ロシア製軽水炉)の燃料のほか、今後さらに原発を増設する計画なので大量に必要だ」と主張し、濃縮活動自体をやめる気配はない。軽水炉用なら3~4%の微濃縮で十分なはず。核兵器開発の疑惑は一向に晴れない。

 とはいえ、現状のままでは西側諸国による経済制裁で苦しいため、昨年夏誕生した穏健派のロウハニ新政権は、交渉による解決に踏み切った。オバマ米政権も、現在の中東情勢下での軍事的解決(つまり米イラン戦争)は危険が大きすぎるので、外交交渉による解決の道を選んだ。もし戦争になれば、イランがホルムズ海峡を封鎖するのは必至で、そうなれば日本も石油輸入が途絶し、大変なことになるだろう。

 かくして昨年秋、スイスのジュネーヴで、イランと6カ国(米英仏露中プラス独)が協議をした結果、問題解決のための「第一段階の措置」について合意が成立。今後6カ月かけて本格合意を目指して交渉が続けられているが、果たして今後どうなるか、予断できない。なお、イランも、韓国同様、日本が米国から再処理、濃縮権を認められていることを不公平だと批判している。

ベトナムやトルコの再処理問題
日本はどう対応するか?

 韓国やイラン以外にも、新興国の中には、将来自国で(または第3国に委託して)濃縮や再処理をしたい、そのための権利を確保しておきたいという国がある。例えば、日本がすでに締結した日ベトナム原子力協定(2012年に発効済み)や、昨年夏署名済みの日トルコ原子力協定(今国会に提出中)では、将来日本の事前同意が得られれば再処理できるという形になっている。

 実は、まさにこの点が現在日本の国会で問題視されており、自民党・公明党のほか、民主党、日本維新の会など野党でも一部の議員が反対ないし難色を示している。これらの議員たちは、最初から再処理を禁止する条項を協定に入れておくべきだと主張している。このような批判に応えて、岸田外務大臣は「日本は再処理をトルコに認めることは考えてない」との国会答弁を行っている。


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