【WEDGE創刊25周年特集】英知25人が示す「日本の針路」

2014年4月23日

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 イクメンに理解のある上司や経営者を指す「イクボス」という言葉が生まれたが、こうした人々を増やし、「育休を取りづらい職場の雰囲気」を払拭する必要がある。サイボウズの青野慶久社長は育休を取得したことで「イクメン社長」として話題になった。こうしたロールモデルが次々と出てくることに期待したい。

 企業側にしてみれば、男性の育休取得メリットを感じないかもしれないが、真実は逆だ。青野社長は企業のイメージアップにうまく活用した。さらに、個人の情報発信力が高まっている今、育休を取らせない企業風土はイメージダウンの火種になりかねない。企業はデメリットの大きさを認識すべきだろう。

 女性が働くことに対してブレーキをかけてしまうような制度も見直すべきである。典型例が配偶者控除だ。夫の扶養家族とみなされる上限年収の103万円(所得税)、130万円(社会保険)がカベとなり、パートで働く女性の年収が100万円以上に伸びていかない現象が起きている。労働意欲を抑え込む要因であり、一刻も早く撤廃すべきだ。

 現代は、多様な人生があり、多様な子育ての仕方が容認されるべきである。今や子育て層はマイノリティと言え、ベビーカーは舌打ちされ、赤ちゃんが泣けば迷惑がられる。そうした社会の価値観を変えるには、まず声をあげることが必要だ。そうでなければ、肩身の狭い思いをし続けることになる。25年後、いろいろな形の家族が幸せに暮らせる社会を作るため、その第一声を発する存在でありたいと思っている。

(文・日比野恭三)

■創刊25周年記念特集 「25年後を見据えた提言」
英知25人が示す「日本の針路」
◎経済、企業
石黒不二代(ネットイヤーグループ社長兼CEO)「ネットが動かす未来のマーケティング」
浜田宏一(米イェール大学名誉教授、内閣官房参与)「“成熟した債権国”化する日本の今後の針路」
村上太一(リブセンス社長)「起業家育成へ教育・選挙改革を」
ポール・サフォー(未来学者、デジタルフォーキャスター)「シリコンバレーの強みは何か」
ヒュー・パトリック(米コロンビア大学名誉教授)「日本人よ もっと外の世界へ飛び出せ」
入矢洋信(トーヨー・タイ社長)「海外の事業は、まずはやってみる、やらせてみる」
千本倖生(起業家、元イー・アクセス社長/会長)「起業家は描きうるなかで最大の夢を持て」
◎政治、国際関係、安全保障
中西輝政(京都大学名誉教授)「25年後の米中と日本がとるべき長期戦略」
井上寿一(学習院大学長/法学部教授)「高まる“大統領型”首相待望論 将来の日本政治の姿」
ジェームズ・ホームズ(米海軍大学准教授)「軍事的ジレンマに陥る中国 日米のチャンス」
鈴木英敬(三重県知事)「地方分権の議論は発想が逆」
小谷哲男(日本国際問題研究所主任研究員)「太平洋を“開かれた海”へ “関与”戦略への転換」
山田耕平(レアメタルトレーダー)「草の根国際協力を国益に繋げ」
◎教育、人材活用、医療、司法
松田悠介(Teach For Japan代表理事、京都大学特任准教授)「日本の教育現場に課題解決能力の高い人材を」
菊川 怜(女優)「大学で学ぶということ」
駒崎弘樹(認定NPO法人「フローレンス」代表理事)「“イクメン”がデフォルト化している日本を創る」
亀田隆明(医療法人鉄蕉会・亀田メディカルセンター理事長)「日本は世界の医療産業国を目指せ」
山本雄士(ミナケア代表取締役)「さらば“ブラック・ジャック”名医論」
麻生川静男(リベラルアーツ研究家)「日本人のグローバルリーダーを育てるために」
久保利英明(日比谷パーク法律事務所代表弁護士)「世界に立ち遅れた日本の司法界 改革への3提言」
◎復興、観光、スポーツ、芸能、暴力団
星野佳路(星野リゾート代表)「25年後に大転換迎える日本の観光 旅館が切り札に」
宮本慎也(元プロ野球選手)「野球界に必要な地盤固め」
三遊亭圓歌(落語家/落語協会最高顧問)「古き良き“寄席”の笑い」
溝口 敦(ノンフィクション作家、ジャーナリスト)「衰微する暴力団、台頭する半グレ集団」
西本由美子(NPO法人「ハッピーロードネット」理事長)「福島浜通りへの帰還」

◆WEDGE2014年5月号より









 

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