2024年7月15日(月)

ヒット映画を読んでみる!

2014年4月18日

 ちなみに、エルサが山頂に向かうシーンで高らかに歌うのが「♪れりご~」である。サビの部分は、日本語詞では「ありのままの 姿見せるのよ/ありのままの 自分になるの」というもの。そう、意外にもこれはエルサがやけっぱちになった心情を歌ったものだったのだ! 雪ブシャー!

 その後物語は、雪の女王となってしまったエルサをアナが助けに行く展開となる。途中、山男のクリストフやトナカイのスヴェン、そしてエルサが作り出した雪だるま・オラフの力を借りてやっと氷の城にたどり着く。が、街が氷に覆われたことを知ったエルサは、誤って魔法をアナに命中させてしまう。氷ブシャー! すると、アナの体は徐々に凍りついていくのだった。

(c)2014 Disney. All Rights Reserved.

 ディズニーのフェアリーテイルであれば、たいていは王子様(あるいは男性)がお姫様を救いに行くという話が王道のはず。しかし、妹が姉を助けに行くのだ。この斬新さが『アナと雪の女王』の大きな特徴であるのは間違いない。

 このような“転向”をしたのには、それなりに理由がある。ディズニーが続けてきた旧来型のプリンセス・ストーリーが批判されたり、受け入れられなくなってきている現実があるからだ。その補助線となる本や映画は、以下の3つに集約される。

〈1〉コレット・ダウリング『シンデレラ・コンプレックス』(1981年)
〈2〉映画『エバー・アフター』(1998年)
〈3〉ディズニー実写映画『魔法にかけられて』(2007年)

 〈1〉の『シンデレラ・コンプレックス』とは、アメリカの作家が書いた書籍で、当時日本でもたいへん話題となった。副題は「自立にとまどう女の告白」で、言っていることはとても簡単。グリム童話『シンデレラ』のように「いつか白馬の王子様が現れる」といった女性のお姫様願望と、その裏にある男性への依存心理を「シンデレラ・コンプレックス」と呼んで分析したものである。つまり、男性に守ってもらうために、幼児的とも言える可愛いさやか弱さをなかなか捨てきれない心理状態を指摘した本なのである。


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