それまで性暴力被害に関心がなかった人でも、「自分の娘が、それどころか、息子も……」と思えば、無関心ではいられなくなる。被害者たちが「誰にでも起こることです」「あなたの娘さんにも、息子さんにも起こることです」と訴えたことが、制度を変える力となったのである。
未成熟な市民のための賢い仕組みを
SNS時代の民主主義は、理想的な市民を前提としない。むしろ、未成熟な市民であっても、制度が賢くあれば社会は動く。そして、怒りや苦しみといった“感情”すらも、制度の改革へと昇華させることができる。
感情を理性へ、個人の苦悩を公共の課題へと橋渡しする知恵こそ、SNS時代における民主主義の姿といえる。
