2022年10月7日(金)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2014年6月5日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

 設備投資も大きく寄与して、2014年1-3月期の実質経済成長率はプラス5.9%(前期比年率)の高い伸びとなった。そして、設備投資の復調は、日本企業の競争力回復とダブって見える。

 しかし、設備投資の動向からは日本企業の大きな課題が見えている。そのひとつが、日本企業の設備投資は相変わらず機械設備の投資にウエイトがあり、ソフトウェア投資がなかなか盛り上がらないことである。

 米国ではグーグルといったソフト企業、ネット企業がますます成長し、自動遠隔操縦での自動車や航空機といった製造業分野にまで業務範囲を拡大しつつある。日本の企業も新たな価値創造につながるソフトウェア投資や知財投資にもっと注力しなければ、モノづくりにおいてすら厳しい国際競争に生き残ることは容易ではない。

少ない日本企業のソフトウェア投資


【図表1】日米:民間設備投資/GDPの推移
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 米国と比べれば、日本の民間設備投資のGDP比は相対的に高い水準にある(図表1)。これだけを見ると、円安や景気回復にあっても日本の設備投資が低迷し、製造業の空洞化が進んでいるとの危機感は過大に見える。

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