2025年12月5日(金)

BBC News

2025年12月4日

公開された写真の1枚。エプスティーン元被告が所有していた島にある住宅の一室が写っている

アメリカの下院監視委員会の民主党議員らは3日、性犯罪で有罪とされたジェフリー・エプスティーン元被告(故人)が所有していた悪名高い島の未公開の画像や動画を公開した。

下院監視委の民主党のリーダー、ロバート・ガルシア議員は、これらの資料は全体として、エプスティーン元被告の世界がどのようなものだったかをうかがわせる暗い手がかりだとし、「公共の透明性を確保する」目的で公開したと述べた。

元被告に関する当局の資料をめぐっては、ドナルド・トランプ大統領が11月19日、公開を命じる法案に署名した。元被告との交友関係が問題視されているトランプ氏はそれまで、公開を求める議員らを攻撃していたが、姿勢を一転させた

公開された写真やビデオには、米領ヴァージン諸島の島の一つにあるエプスティーン元被告の住宅内の、複数の寝室とされるものが撮影されている。壁に仮面がかけられた部屋や、短縮ダイヤルのボタンに名前が記されている電話機なども見られる。

撮影は、元被告の死後の2020年とされる。歯科治療用のいすと思われるものの画像や、「真実」、「ごまかし」、「権力」などの文字が書かれた黒板のある部屋の画像もある。一部の文字は読めないように加工されている。

元被告と、元被告の恋人だったギレイン・マックスウェル受刑者(禁錮20年の刑で収監中)が、キリスト教カトリック教会のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(故人)と会っている場面の写真もある。

動画は、島内の被告宅を歩きながら紹介するもので、ヤシの木が立ち並ぶプールや、弓を射る人の像、海へと続く道などが映っている。

元被告は2008年、未成年者に対する売春の勧誘で有罪判決を受け、性犯罪者として登録された。2019年には、性的人身取引の罪で訴追され、裁判を迎える前に同年、拘置施設で死亡した

今回画像が公開された島は、元被告が1998年に購入したもので、「リトル・セント・ジェイムズ」と呼ばれる。元被告らによる性虐待を生き延びた複数の人々が、性的人身取引でこの島に行かされ、虐待されたと主張している。

元被告は他にもう一つ、ヴァージン諸島の島を所有していた。

米領ヴァージン諸島の当局は、これら2島で「数十人の若い成人女性と子ども」が人身取引され、レイプされ、暴行を受けたとした。当局は2022年、元被告の遺産管理団体との間で、同団体が1億500万ドル超を支払うことで、訴訟を解決させることに合意した。

今回の画像は、元被告による犯罪の現場の一つと、ヴァージン諸島での豪勢な生活ぶりがどのようなものだったかをうかがわせるが、事件に関して新たな発見を提供するものではない。

元被告の関連資料をめぐっては、トランプ政権に対して広範に公開するよう求める声が出続けている。ガルシア議員は声明で、「トランプ大統領は今こそすべてのファイルを公開すべきだ」とした。

トランプ氏が署名した法案では、資料を保有する司法省が今月19日までに公開することになっている。

しかし、「連邦当局の捜査や進行中の起訴事件」を危険にさらすような文書については、司法省は限定的で一時的である限り、公開を差し止められるとされており、全面公開には障壁も残る。

(英語記事 Previously unseen images of Epstein's island released

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cm283j5n7m5o


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