2025年12月11日(木)

BBC News

2025年12月11日

韓国空軍のKF-21戦闘機(資料写真)

韓国政府は10日、中国とロシアの軍用機が韓国の防空識別圏(ADIZ)に進入したとして、韓国に駐在する中ロ両国の武官に抗議した。

韓国政府は、ロシア軍機7機と中国軍機2機が9日、ADIZに「短時間、進入」したため、「緊急事態に備えた戦術的措置を講じるため」戦闘機を発進させたと説明。ただし、中ロ両国の軍用機による韓国の領空の「侵犯はなかった」と述べている。

一部の国はADIZを設定し、外国機が進入する場合には事前許可を求めている。ADIZは、国際法上の主権空域には含まれない。

韓国は今年3月にも、ロシア軍機がADIZに進入したとして戦闘機を発進させている。

韓国メディアによると、合同参謀本部の幹部は、ロシア軍機が鬱陵島と独島(日本名・竹島)付近のADIZに、中国軍機は離於島付近のADIZに、それぞれ進入した述べた。

日本が竹島、韓国が独島と呼称する島嶼(とうしょ)群は、日韓双方が領有権を主張している。北朝鮮も韓国の立場を支持している。一方、済州島沖にある水没岩(韓国名・離於島、中国名・蘇岩礁)は、中韓が共に自国のADIZに含めており、争点となっている。

この幹部はまた、中ロ両国の軍用機はその後、日本の対馬付近の空域で再集結したと述べた。

韓国国防省は10日、「韓国軍は国際法を順守し、KADIZ(韓国のADIZ)での周辺国の航空機活動に積極的に対応する」と発表した。

中国は10日、東シナ海と西太平洋の空域で、ロシアと合同パトロールを実施したと認めた。この演習は中ロの「年次協力計画」の一環で、「地域の課題に対応し、地域の平和と安定を維持する」ことを目的としていると、中国国防省の報道官は述べた。

中国とロシアは2019年以降、同様の演習中に韓国のADIZに複数回、通告なしで進入している。

ロシアは韓国のADIZを認めておらず、「一方的に」設定されたものだとし、他国に法的義務を課すべきではないとしている。

(英語記事 South Korea protests at Chinese and Russian warplanes in its airspace

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cy4xpwyewlpo


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