2025年12月15日(月)

BBC News

2025年12月15日

銃撃事件のあった建物の外に花束が置かれた(14日、米ロードアイランド州プロヴィデンス)

米東部ロードアイランド州プロヴィデンスのブラウン大学で13日、銃撃事件が発生し、2人が死亡、9人が負傷した。警察は14日、この銃撃事件に関連して20代男性を「重要参考人」として拘束したと発表したものの、同日深夜にはこの人物を近く釈放すると明らかにした。

プロヴィデンス警察のオスカー・ペレス本部長は深夜の記者会見で、拘束した人物を訴追できるだけの証拠が得られていないと認めた。ロードアイランド州のピーター・ネローナ地区検事は、これまでに得た証拠は「別の方向を差している」と話した。

捜査は継続中で、プロヴィデンスのブレット・スマイリー市長によると、当局は映像証拠をさらに探しているという。

プロヴィデンス警察は事件発生後、黒い服を着て現場を離れた人物が容疑者だとして、その防犯カメラ映像を公開していた。建物の捜索では銃器は見つからなかった。

米連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官はソーシャルメディア「X」への投稿で、容疑者は14日未明、プロヴィデンス警察からの情報に基づき、コヴェントリーのホテルで拘束されたと書いていた。

コヴェントリーはブラウン大学から約40キロ南西にある。

プロヴィデンス警察のペレス本部長は14日の時点で、捜査対象者はほかにいないとしていた。13日には容疑者捜索のために数百人の警察官と連邦捜査官が現地に派遣された。

調べによると、銃撃事件は現地時間13日午後4時ごろ、大学キャンパスの東端にあるホリー工学棟の教室で起きた。

死亡した2人と負傷者の大半の身元はまだ公表されていないが、ブラウン大学のクリスティーナ・パクソン学長は13日、被害者全員が学生だと記者団に話した。

プロヴィデンスのスマイリー市長は、負傷者のうち7人は安定した状態にあり、1人は重体、もう1人は退院したと明らかにした。

大学が14日に発表した声明で、パクソン学長は、警察が捜査を続けているため、キャンパスの一部は依然として立ち入りが制限されていると述べた。

学長によると、キャンパスで生活する学生約2000人が夜の間、安全な場所に避難したという。学生や地元住民が自宅を開放したことに「深く感動した」と、学長は付け加えた。

パクソン学長は、殺害された2人の学生の家族には支援を提供しているとも述べた。

「子どもを失った家族に十分な慰めの言葉はありませんが、私たちはできる限りのことをします」と彼女は付け加えた。

スマイリー市長は14日の記者会見で、住民に対する避難命令が解除されたと発表。病院で被害者とその家族に会い、彼らの「勇気、希望、感謝」に「圧倒された」と述べた。

14日夜には、地域の人たちのため、キャンドル集会が開かれる予定。

ホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領は、負傷した9人の学生が「早く回復することを願う」と述べ、死亡した2人の家族に哀悼の意を表した。

アメリカ国内の乱射事件統計をまとめているサイト「Gun Violence Archive」によると、今回の事件で、アメリカで今年起きた銃乱射事件の件数は389件になった。同団体は、加害者を除いた死傷者が4人以上の事件を、銃乱射と定義している。

(英語記事 'Person of interest' detained over Brown University shooting to be released, officials say

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c8r3m7l6d51o


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