2025年12月15日(月)

BBC News

2025年12月15日

ロボット掃除機「ルンバ」を手がける米アイロボットは14日、米連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。ルンバの製造を委託している、深セン拠点の中国企業ピセア・ロボティクス(杉川机器人)の傘下に入る。

アイロボットが14日に提出した書類によると、厳しいビジネス環境において同社は、価格を引き下げ、新技術への大規模な投資を余儀なくされたという。

同社によると、アメリカ市場向けのアイロボット製品の大半はヴェトナムで製造されている。そのヴェトナムからの輸入品にアメリカ政府がかける税率46%の関税の影響で、今年のコストは2300万ドル(約36億円)拡大したという。

アイロボットは、新型コロナウイルスのパンデミックによって製品需要が急増したことを受け、2021年の時価総額は35億6000万ドルと評価されていたが、現在は約1億4000万ドル。

同社の株価は12日、米ニューヨーク証券取引所の、ハイテク株比率が高いナスダックで13%以上、下落した。

アイロボットは、破産申請によってアプリやサプライチェーン、製品サポートが中断されることはないと述べた。

1990年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)の人工知能(AI)研究所の3人のメンバーによって設立されたアイロボットは当初、防衛と宇宙技術に焦点を当てていたが、2002年にルンバを発売した。

同社によるとルンバは、アメリカのロボット掃除機市場で約42%、日本市場で約65%のシェアを占めている。

オンライン小売大手アマゾンが昨年、17億ドル規模の買収計画に乗り出したが、欧州連合(EU)の競争規制当局によって頓挫(とんざ)した。

ドナルド・トランプ米大統領が国外からアメリカに入る製品に課した貿易関税は、製品製造において輸入に大きく依存する、アイロボットを含む多くの企業のコストを増加させた。

トランプ氏は、輸入税がアメリカの雇用と産業を促進すると主張している。

ピセアはロボット掃除機の製造業者で、中国とヴェトナムに研究開発および生産施設を持つ。世界中の総従業員数は7000人以上。これまでに、2000万台以上のロボット掃除機を販売している。

(英語記事 Roomba vacuum cleaner firm files for bankruptcy

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c1m8jlp40xno


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