台北市で19日、刃物を持った男性が暴れる事件があり、少なくとも3人が死亡、9人が負傷した。
台湾の卓榮泰行政院長(首相)によると、容疑者は27歳の男性で、台北の主要地下鉄駅で発煙弾を投げた後、繁華街にある別の駅に走り、途中で周りの人に次々と切り付けたという。
当局はこの男性を、台湾人の張文容疑者と発表した。張容疑者はその後、ビルから転落して死亡したと卓行政院長は述べた。動機は依然として不明だ。
台湾では暴力犯罪の発生率は低く、このような襲撃事件はめずらしい。台北で同様の事件が前回起きたのは、10年以上前の2014年だった。
襲撃は19日午後5時20分、夕方のラッシュ時に発生した。
ソーシャルメディアで共有された動画には、野球帽と黒い服を着た人物が、混雑した道路に発煙弾を投げ、大勢が現場から急ぎ逃げる様子が映っている。
その後、容疑者が大きな刃物を持って、車の間を歩く姿が確認できる。
卓行政院長は、容疑者が台北駅で発煙弾と火炎びんを爆発させたと述べた。台北駅は、混雑する地下街と接続している。
報道によると、容疑者を止めようとした人物が鈍器で殴られ、その後、病院で死亡した。
容疑者はその後、地下街を通って約800メートル離れた中山駅に逃走した。
さらに、ホテルに立ち寄って武器を持ち出した後、中山駅前の通りに戻り、再び発煙弾を投げた。さらに複数の人を刺した。
容疑者は近くの書店と百貨店に入り、警察に包囲された後、建物から転落した。男はその後、病院で死亡した。
卓行政院長は襲撃を受け、地下鉄駅や鉄道駅、さらに空港での警備強化を指示したと述べた。
「容疑者の背景や関係性を調べ、動機を把握するとともに、他に関連する要因があるかどうかを確認する」
台湾の頼清徳総統も、迅速な捜査を約束した。
現地メディアによると、容疑者には犯罪歴があり、当局に指名手配されていた。
台湾で類似の重大事件が前回起きたのは2014年。その時は、台北の地下鉄車内で男性が4人を殺害し、台湾社会に衝撃を与えた。この襲撃の犯人は、2年後に死刑を執行された。
(英語記事 Knife attacker kills three after smoke bombing Taiwan metro)
