ブラジル経済のインフレ体質
ことブラジルに関していえば、インフレが深刻になりやすい歴史的経済体質の影響も大きいだろう。
ブラジルは1990年の6800%というのは極端だとしても、2003年には14%台を記録、直近でも5%程度の水準である。ブラジルの中央銀行は2.5~6.5%というインフレ目標政策を設定しているが、2011年には6.64%となるなど、その達成の苦労が覗われる。
政策金利は、7~13%程度で推移している。名目成長率(実質成長率+インフレ率で計算)から勘案すれば、インフレ対策と経済成長(GDP成長率)との折り合いを考えると、それなりに手堅いところであると感じられる。一般的に、政策金利を低く設定するほど経済刺激にはプラスとなるが、インフレを助長してしまう恐れも向上する。逆に政策金利を高く設定すれば、景気減退の恐れが出てきやすいが、インフレ懸念は後退する。
需要に対して供給が追いついていない
今後のブラジル経済の趨勢を考える際に、ポイントとなる点、そしてそれをどう見るべきか、考えていく。